ID:83698
日刊・知的ぐうたら生活
by schazzie
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■ジョージ・プリンプトン『トルーマン・カポーティ』
図書館に本を返却。
全部読めないかもしれないと思っていたが、結局読み終えた。
最後に読んだジョージ・プリンプトンの『トルーマン・カポーティ』は、とても面白かったが、最後は読んでいて辛くなった。自分の身を守るためなら、どこまでも残酷になれる人間というものに、ここでも失望した。
これはけしてカポーティのことではなく、カポーティが友人と思っていた人々のこと。カポーティ自身が越えてはならない一線を越えてしまったのが悪いのだし、それは絶対に許されないことであったのかもしれないのだが、それにしても彼らの「無視」と「拒絶」は、カポーティを死に追いやるほどの「絶望」を感じさせたのだろう。相手を利用するだけ利用して、いざというときに相手が望むことを与えられないなら、最初から友人などと言わない方がいい。私個人も、「あなたは親友だ」と口にする人ほど信用しないことにしている。カポーティの苦悩が痛いほどよくわかる。
そもそもカポーティは、他人の批評(または受け?)を非常に気にする人だったから、それが無視されるといたたまれないのだろう。それは私にもよくわかる。物を作る人間は、作る過程でも大変な苦労をするが、作ったあとも平然としてはいられない。必ず反応を知りたいものなのだ。たとえどんな反応であろうとも、無視されるよりはましなのだ。それを「無視」と「拒絶」で迎えられては、自殺したっておかしくないほどの「絶望」となる。ましてやカポーティほどの人物となれば、すさまじい絶望に陥るだろう。
そんなことを痛いほどに感じてしまっただけに、とても辛い本だった。「無視」や「拒絶」ではなく、たとえ厳しい批判をされたとしても、相手にしてもらえていたなら、カポーティはまだ生きていたに違いない。晩年、カフェの片隅で、ひとりでお酒を飲んでいたというカポーティの姿を思い浮かべると、涙が出る。
だって、カポーティは作家である前に、あの『アラバマ物語』のディルなんだから、嘘つきでおしゃべりに決まってるじゃない!それを見抜けなかった人たちが、考えがなさすぎる。
〓〓〓 BOOK
◆読了した本
<火星シリーズ合本版第一集>第一巻『火星のプリンセス』/エドガー・ライス・バローズ
◆BOOKOFFにて
『めぐりあう時間たち─三人のダロウェイ夫人』/マイケル・カニンガム \900
内容(「MARC」データベースより)
時を超えてめぐりあう三人のダロウェイ夫人。異なる時代を生きる三人の「時間」はいつしか運命的に絡み合い、本流のように予想もつかぬ結末へ…。同名映画の原作。ピュリッツア賞、ペン/フォークナー賞受賞作品。
『ネオン・レイン』/ジェイムズ・リー・バーク \100
内容(「BOOK」データベースより)
ニュー・オーリンズには雨が多い。メキシコ湾から吹き上げる風が、湖沼地帯を湿らせる。湖沼に黒人女の死体が浮かんだ。第一発見者はデイヴ・ロビショー―ニュー・オーリンズ警察警部補、ケイジャン、インテリ、離婚一回、元アル中…検死の結果は溺死。だが、ロビショーの目はごまかせない。娼婦、死刑囚、ニカラグアからの亡命者―狂気と背中あわせの者たちを相手にロビショーの個人的な捜査が始まった。’90MWA長編賞受賞作家のシリーズ第一作。
『シマロン・ローズ』/ジェイムズ・リー・バーク \100
内容(「BOOK」データベースより)
元テキサスレンジャーの弁護士ビリー・ボブが依頼された少女レイプ事件。捜査を進めるうちに平和な田舎町は、どす黒い素顔を見せはじめる。名匠ジェイムズ・リー・バークが、癒せぬ傷を抱えた男の誇りと哀しみを円熟の筆致で描くネオ・ハードボイルドの最高峰!1998年度MWA最優秀長篇賞受賞に輝く話題作。
『アメリカン・サイコ』(上)/ブレット・イーストン・エリス \100
内容(「BOOK」データベースより)
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08月10日(日)
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