ID:83698
日刊・知的ぐうたら生活
by schazzie
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■総合英語(7)&アメリカ南部映画祭(5)
北部でも、黒人奴隷を開放するために自分の命を落とすことなど考えてもいなかった人々もいて、そのため、徴兵拒否もあったようだ。たしかに普通はそう思うだろうなと思う。部隊が100%黒人だったら認められなかったという事実もあって、「奴隷解放」を掲げながらも、根本的に人種差別をしているわけだし。

歴史的な事実はともあれ、この映画を観ていて、ずっと胸が痛かった。差別されている黒人たちだが、彼らの持つ誇りは素晴らしく、またショー大佐をはじめとする、第54連隊の白人将校たちとの絆にも熱いものがあった。戦いのシーンは凄惨で、主要な登場人物が次々に戦死していく様は、目をそむけたくなるほどだった。

ショー大佐を演じたマシュー・ブロデリックは、最初、こんなひ弱そうなのが指揮官でだいじょうぶなのか?という感じだったが、次第に指揮官として堂々たる人物になっていく過程が見えて、非常に良かった。決死の覚悟で黒人たちに混じって戦う姿は、ちょっと可愛らしい容貌と相まって、逆に哀れを誘う。ここでも、彼は何のために戦っていたんだろう?何のために死ななければならなかったのだろう?という思いがよぎった。

南北戦争に限らず、どんな戦争だって悲惨なのだと思うが、南北戦争ほど本当の理由の見えない戦争はないのでは?と思う。ただ私が無知なだけなのかもしれないが、今回の担当の南部出身のバーダマン先生ですら、南北戦争の真の理由については、はっきりした答えを述べていない。

今回は、北軍の軍服を着て、南軍が使用したマスケット銃を持ったコスプレ(?)の人たちが来ていて、映画のあとに、銃の玉のこめ方などを嬉々として説明していた。それはたしかに興味深い資料ではあるけれど、バーダマン先生が「この戦争は悲惨である」と解説している場で、あの楽しそうな雰囲気は何なのだろう?と思った。戦争オタクなのか、武器オタクなのか、今の防衛庁長官みたいな人なんだろうか?ちょっと異常かも?(^^;

<参考資料>
Past Imperfect: History According to the Movies (Henry Holt Reference Book)/Mark C. Carnes (著), Ted Mico (著), John Miller-Monzon (著), David Rubel (著)
ペーパーバック: 320 p ; 出版社: Henry Holt & Co ; ISBN: 0805037608 ; Reprint 版 (1996/11/01)
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In our increasingly visual culture, a growing amount of what we learn about history comes from the movies. This unusual and cornucopian book draws on the knowledge of 60 experts who examine the historical accuracy of a splendid array of classic movies such as Julius Caesar, Aguirre the Wrath of God, Mutiny on the Bounty, The Last of the Mohicans, Gallipoli, and Gandhi. They reveal what each movie has done right and wrong in portraying the complex threads of the stories as known to the world's most qualified scholars. Highly Recommended.
●次回の作品
『O Brother, Where Art Thou?』(邦題『オー・ブラザー』 2000年)

06月16日(水)
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