ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ポケットモンスターペアレント
今日も今日とてポケモンカードゲーム修行である。
僕の修行じゃなくて息子・タク(9才)の。欲しいカードがあるから秋葉原に行きたいと言う。
ポケモンカードはおもちゃ屋などで1パック160円ぐらいで売っていて、中に5枚ずつ入っている。何が入っているかはランダムなため、欲しいものが決まっている場合は中古カードを取り扱っている店で買ったほうが確実なのである。普通に買ったら何十パック買っても出てくる保障は全くないので、そのリスクを考えたら多少プレミア価格になっていても安いと言える。なので秋葉原。中古カードショップが集中しているのだ。
秋葉原にはもう何度も行っているしカードだって高いし往復時間だって1時間半ぐらいかかるし交通費だってタダじゃなくて地味にパスモ残高を削られる。なのに
「よし、行こうか」
と行ってしまうのは僕もタクのポケモンカード強化に協力したい気持ちがあるのかもしれない。こないだの大きなバトルイベントではボロ負けしてしまったタクの姿を見て気の毒になってしまったのは事実だ。
娘・R(11才)はまったく興味がないので嫁と留守番だ。電車で移動して秋葉原に到着し、どのカードショップから回ろうかな、と脳内地図を確認し、
「○○(店の名前)から行こうか」
「うん」
タクの手をつないで歩き出した。欲しいカードは2種類。AとBとしよう。Aが2枚、Bは4枚ずつ欲しいとタクは言う。それを「デッキ」と呼ばれる60枚一組のカードセットに入れて強化するのだと。1軒目に行ってみると、ちょうどAが2枚あったので購入したが、Bは見つからなかった。ポケモンカードは定期的に新しい種類が発売されて、そのたびに
「今はこういうカードをそろえたデッキが強い」
という流行り廃りがあり、その人気のカードにはすぐプレミアがついて、かつ品薄になってしまう。ポケモンカードは種類は膨大だけど、そういった有用なカードはほんのひと握りで、残りの大部分はゴミに等しい。ゴミをかきわけながらお宝を探すのも大変なのだ。
最初のお店を諦めて2軒目に行ってみても無く、タクの顔が不機嫌になってきた。僕が知っている店はあと1軒。どうせそこも無いだろうな…と思いつつもタクにはそんなことは言えず、
「あと1軒ある。そこも行ってみよう!」
と励ますと
「うん、行こう。でもどうせないよ」
という返事で、僕と同じネガティブ思考。僕も子供のころ「どうせ…」「どうせ…」が口癖で親がブチ切れていたな…今度は僕がブチ切れる番なのだろうか。
で、3軒目。Bのカードはあった。しかし1枚だけ。本当は4枚欲しかったが仕方が無い。
「しょうがない!とりあえず買って帰ろう!」
あとはまた時間を置いて探すか、高いかもしれないけどネット通販かオークションも探すよ、などと泣きそうなタクを励ましつつ店を出た。じゃあ駅に戻ろうかね…と道を歩いていると
「メイド喫茶いかがですか」
とてもかわいいメイド姿の女の子が声をかけてきた。子連れに声かけるかフツー。しかしメイド喫茶は決して嫌いではない。好きか嫌いかでいったら超好きだ。
「うーん、そういえばいろいろお店回ったから疲れたし喉も渇いたし、ちょっと寄ってみるかいタク君?」
決してメイドの色香に惑わされたわけではないことを強調し、タクを誘ったら
「行くわけないだろ!」
あっさり断られた。カードが見つからなくてイライラしてるのだ。そんなわけで後ろ髪を引かれる思いで秋葉原を後にした。あ、僕が秋葉原に来たがる理由ってコレか!
さっきのメイドの子…名刺だけでももらおうかな…などともったいない気持ちでいたが、絶対タクに見られるし、もし嫁にチクられたら…
メイド喫茶じゃなくて冥土行きになってしまうなあ。
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11月11日(火)
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