ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ねぎねぎねぎっ娘。
夕暮れ時も過ぎて外が暗くなったころ、僕は息子・タク(9才)とふたりで家にいた。
嫁と娘・R(11才)は買い物に出掛けていたのだ。そろそろ帰って来る頃だろうか、などと思い始めた頃、外で
「ずべっ」
みたいな音がして、嫁の
「大丈夫?」
という声が聞こえた。
なんだどうした、と窓から頭を出してみたが、ふたりはすぐウチの中に入って来た。
「ころんだ」
Rは悲しそうな顔をして言った。そして何故か1本のネギを持っていた。
「Negiccoかお前は」
Negicco(ねぎっこ)とは、新潟の特産物「やわはだねぎ」をPRするために生まれたアイドルである。新潟が本拠地だが、東京にも頻繁にやって来てライブをしているので、彼女らのファンの僕はしょっちゅう行ってしまっている。今は垢抜けた渋谷系オシャレアイドル路線だけれども、たまにネギを振り回して歌ってたりしている。以前それを観て僕が
「それも『やわはだねぎ』なんですか?」
と聞いたら
「東京では『やわはだねぎ』はあんまり売ってないんで、埼玉産とか使ってます」
とのことであった。確かに下仁田ネギとか深谷ネギとかと比べて全然聞いたことないしなあと思ったものである。
Negicco/フェスティバルで会いましょう
話を戻す。
とりあえず
「Negiccoかお前は」
まずひとつめのツッコミを入れた後、
「怪我は?それにそのネギは?」
ふたつみっつとツッコミどころが満載なので質問攻めにしてしまった。嫁が言うには、
「買い物の持ち運びの手伝いでネギを持ったまま走ってたらものの見事に転んだ」
ということらしい。なんというドジッ子な。
幸いケガは親指をちょっと擦りむいた程度であったので
「ちゃんと洗っときな。しみるけどね」
と言いつけ、ネギを見てみると

「あらー、傷ついで砂が付いちゃってるじゃないの」
「大丈夫よだよ、洗ってちょっとだけ削れば…」
と嫁。そうか。傷は浅いか。よかったよかった…と、ふとネギに付いたラベルを見てみると

「おおおおおおー!『やわはだねぎ』じゃないか!」
うわー。まさかNegiccoが推奨する正真正銘のやわはだねぎだったとは…。僕、見るの2度目だ…。それをRがすっ転んで地べたにぶちまけていたとは。なんという罰当たりな。
「コレ、Negiccoのネギなんだよ!大事なんだよ!」
とRに説教を始めたら
「あっそー」
ものの見事に呆れられてしまい、あらー、やってもうた。普通の親だったらケガの心配やお手伝いをしたことをいたわるべきであろう。
ネギだけにねぎらってねー、みたいな。
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10月21日(火)
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