ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■その変態、折り紙つき。
子供達の学校で学祭のようなものがあったので行って来た。
娘・R(11才)のクラスは「折り紙教室」、息子・タク(8才)のクラスはオリジナルのカルタを使った「カルタ遊び教室」、などなど、クラスごとに催し物があるのだった。
嫁と行ったのだけれども途中からそれぞれ勝手に気の向くまま好きなところに行ってしまった。まずRの教室を覗いてみると
「あ、パパだ」
「え、Rちゃんパパだ」
「ホントだ、Rちゃんパパだ」
受付係をしていたRとそのクラスメイト達から何故か一斉に注目を浴びてしまった。おおっとおじさん怪しいもんじゃないよ。一斉に防犯ブザー鳴らすのは勘弁な。
「そーか、Rは受付係か」
「そうだよ、パパ、ハンコ押してあげる。後半になったら遊ぼ」
パンフレットのスタンプ欄に猫の顔のスタンプを押された。「折り紙教室に来たよ」という印らしい。そうなのだ。Rは前半は担当の受付をし、後半になったら前半に遊んでいること交替し、自由の身になるのだ。Rと逆パターンのタクは、今が自由時間なので、どこかの教室でキャアキャアしているはずだ。
受付のRの他に、折り紙を教える係のクラスメイト達が父兄からちっちゃい子まで、幅広い年齢の来客にレクチャーをしていた。ちゃんと大人用に難しいもの、子供用には簡単なものを用意して、折り方をプリントした紙を用意している。
「ふーん、結構考えてるんだねー」
と眺めていると
「パパも折り紙する?」
職務に忠実なRが折り紙でぺしぺしと僕の腕を叩く。
「どうしようかな。パパも小学生の頃はね、折り紙の本を買っていろんなのを折ったんだぜ。でも今はほとんど忘れちゃってるなー」
「やんないならあっちいって」
折り紙折らずに話の腰を折られてしまった。
Rの教室を出、タクでも探すかな、と校内をうろうろしていたら、知ってる子供達やオヤジ達や先生方とすれ違う。お、向こうから駆けて来るのはタクのガールフレンドではないか。
「たっくんパパ!あっちに妖怪屋敷があるよ!」
彼女はそう叫んで去って行った。廊下を走っちゃいけないよ、と、言いそびれてしまった…。さて、その妖怪屋敷とやらは6年生の教室であった。やっぱり学祭に「お化け屋敷」系の催しは外せないようだ。更に「妖怪ウォッチ」ブームだし。もう10人ぐらいの子が
「ゲラゲラポー」
とか
「ういーっす」
とか歌ったり叫んだりしているのを聞いた。あ、ちなみに
「ダメよーダメダメ」
と言っている子にも5人ぐらい遭遇した。
話を妖怪屋敷に戻すと、小学生が作る怖いものってどのくらいの出来なのかなー、と、ちょっと興味を覚え、入ってみようと思った。しかし大人気のようで入口に子供達がたくさん並んでいたので並ぶのはちょっとやめとこうかなー、と。混んでる時は子供優先なのである。ちょうど妖怪屋敷から出て来た顔見知りの子がいたので
「怖かった?」
と聞いてみたら
「ぜんぜーん」
なんか楽しそうに答えていた。妖怪屋敷といってもメルヘン溢れるものなのだろう。日頃からニュースや防犯メールで知らされる変態や不審者の方がよほど怖い。そう。一番怖いのは人間なのである…なんつって。そういうことを子供に啓蒙するため、「変態屋敷」とか作ってもいいかもしれないな。子供の前でコートをがばっとめくって露わな素肌を見せて
「な?」
と問いかける「なーおじさん」とか、女の子に
「君、かわいいね、パンツ見せて」
と迫るパンツおじさんとか…。そういう妄想をしていると、校内のスピーカーからチャイムがぴろんぽろーんと鳴り、アナウンスが聞こえてきた。
「前半終了です。係りの人は、後半の係りと交替してください」
前半の担当と後半の担当が切り替わる時間になったのだ。じゃあタクが働く姿を見に行くか、とタクの教室に行くと
「これからカルタ取りの説明をします!」
ちょうどタクがお客さん数人の前でカンペ棒読みの説明をしていた。そのさまをニヤニヤと眺めていたら、説明を終えたタクがドーンと飛び込んできた。
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10月15日(水)
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