ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■9才の誕生日に、悔いはナイン。
息子・タク(9才)は金曜日に誕生日を迎えたので、土曜日は彼の好きにさせてやることにした。
まず誕生日プレゼントはポケモンカード。タクが欲しがっていた強いレアカードを秋葉原のカードショップにて僕が買ってプレゼントしたら、いつもはママっ子なのに子犬のように甘えてきた。現金な奴だ。

更にタクはポケモンセンターに行きたいというので、嫁は午前中仕事があるため僕が娘・R(11才)も一緒に連れて行った。誕生日特典が貰えたりするんである。紙の王冠をもらってかぶって、従業員の人に「オメデトー!」とか言われながらここでもポケモンカードを買いたいと言う。
「パパはもうプレゼントをした。欲しいなら自分の小遣いで買え」
「うん」
現在タクは祖父母達からお祝いのお小遣いをもらっているのでリッチなのだ。タクは買うものを決めるのが早かったが、いつまでも迷いながら店内をうろうろしているのはRだった。
「迷うぐらいなら実はそんなに欲しくないんじゃないの?無理して買わなくてもいいぜ!」
早く昼飯を食べたかったのでそう急かすと
「だってー、せっかくポケモンセンターに来たのにー、ここでしか買えないものがあるのにー、何も買わないのはもったいないのー」
とダラダラと自論をかますR。分かったから早く決めてくれ、とタクも急かすとようやくピカチュウのクリアファイルをひとつ買ってポケモンセンターを後にした。
家に帰って嫁と合流して昼飯はラーメン。これもタクのリクエストだ。

桜台の美志満。塩ラーメンが絶品である。
その後はタクは友達の家に遊びに行ってしまったので、僕とRでタクのバースデーケーキを取りに光が丘まで行く。タクの好きなポムポムプリンのケーキを予約しておいたのだ。ただ、Rは光が丘でも買い物をしたいというのでキディランドに連れて行くと、店内で何を買うか決めかねて長い時間うろうろしている。
「実はそんなに欲しいものはないんじゃないの?無理して買わなくても…」
「だってー、せっかくキディランドに来たのにー、ここでしか買えないものがあるのにー、何も買わないのはもったいないのー」
なんか、午前中と同じことを繰り返す。女の買い物は長いものであるが、Rは輪をかけて長いな…と、とっとと帰りたいので、僕も店内を物色してみる。Rが大好きな「すみっこぐらし」というキャラのグッズがたくさん売られているコーナーで、
すみっこぐらしのオフィシャル本を見付けたので、
「これいいじゃん」
とRに見せると、これがいい、と食い付いてきてやっと買うものが決まった。
家に帰ってケーキを冷蔵庫に入れると、夕食はやっぱりタクのリクエストで回転寿司。

西落合の「がってん寿司」でタクがマグロだカンパチだの望むがままのネタを食べていた。その横で嫁がここ半年ぐらいで一番幸せそうな顔をして主に白身系のネタを頬張っていた。一方Rはそれほど寿司は好きではなく、
「このあとケーキがあるからそのぶんお腹を空けておくの」
あくまでもマイペースだ。そうなのだ。この後ケーキを食べるのだ。ポケモンセンター、ラーメン、親友との遊び、回転寿司、ケーキ、タクが考えた最高の1日の過ごし方なのである。
「あー、もうおなかいっぱい!おいしかった!」
と満足そうなタクに
「また来てちょうだいね」
と板前さん。
「はい!来ます」
「じゃあ明日ね」
「えー!」
そんなやりとりをしつつ家へ。そして本日のクライマックス、ポムポムプリンのバースデーケーキをドン!

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10月05日(日)
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