ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■公園サッカー。
日曜日の昼下がり…。
「ヒマでヒマで死にそうだよう」
息子・タク(7才)が部屋の中でゴロゴロしていた。
「勉強かピアノでもやったら…?」
「もうやったし!」
本日のノルマは全てこなしたという。
「外で暴れたいなあ…」
タクはこちらをチラチラ見ながらゴロゴロ転がりまくっている。
「じゃあ、公園でパパとサッカーボールで遊ぶか?」
本当せっかくのヒマな土日なのでゆっくり休んでいたかったが、執拗な外に連れてけアピールをに耐え切れず、つい言ってしまったら
「うん!行く!」
猫まっしぐら状態でとっとと靴を履いてサッカーボールを抱えて飛び出して行ってしまった。
「Rも行くかい?」
娘・R(10才)にも声をかけてみると
「いかなーい」
残念ながら彼女は読書に夢中で付いてこなかった。公園に着くと
「あ、たっくん」
ベンチでDSをやっていた男の子がふたり、タクを見付けて声をかけた。
「おんなじ学校の子?」
「うん。3年生」
タクよりひとつ上級生の子供達のようだ。ゲームに夢中のようだったが、タクが持っているボールを見て目の色が変わり、
「サッカーやるの?一緒にやらない?」
いーれーて、と言ってきた。ふたりきりでやるよりは楽しいからいいんじゃないかと思ったら
「やだ」
タクあっさり拒否。
「なんでよー!」
ちょっと来い、と、男の子達から聞こえないところで問い詰めると、
「あのふたりはサッカーチームに入っているからうまいんだ。ボクなんかボコボコにされちゃうよ…」
タクはそう警戒しているようであった。昨日も上級生にWiiのゲームで対戦して、ボコボコにされまくった苦い経験があり、そのトラウマが残っているのかなあ…と、しばらく僕とタクで遊んでいたが、その男の子達も
「お願い!やろうよ!」
熱心に誘ってくるのでさすがに断り切れなくて、
「じゃあ僕ら親子と君達でチームになってやろう」
タクには「パパと組むならいいだろう?」と説得して2対2でサッカーをした。実際やってみると男の子達は、サッカーをやってるわりには素人で下級生のタクといい勝負で、タクが心配していた、
「実力が段違いで歯が立たない…」
ということはなく、夢中で競り合っていた。
「たっくんもサッカーチーム入ろうぜ!」
とかタクを勧誘したりしてるし、もしかしたらタクに合わせてくれていたのかも知れない。そのうち別の男の子がもうひとりやって来たので
「じゃあパパは抜けるから子供達だけの2対2でやりな」
正直疲れて休みたかったので、抜けるいい口実が出来たとばかりにとっとと離脱してベンチにふんぞり返った。しかしその男の子も1時間ぐらいしたら帰ってしまったので
「パパ!入って!」
また僕が復帰。最後はドッジボールもやってしまい、ヘトヘトになってウチに帰った。
「いっぱい暴れたの?よかったね」
嫁がタクにそう話すと
「パパなんて、運動するのがイヤだから誰か来るとすぐ抜けてやってくれないんだよ!」
タクめ、余計なことをちくりおって。
「いやいやいや、でもその子が帰ったらまたやったろ。ドッジボールも」
「うん、そうだけど…」
今日はたくさん体を動かしただろうが、と言うと、タクも渋々それは認めたが、僕がしょうがなくやってるのはお見通しだったのだな…いかんいかん。しかし、そんなに暴れたかったら僕と暴れるよりも
「サッカーチーム入ったら?あの子達にも誘われていたろう?」
目指せワールドカップ!、とけしかけてみたら
「やだ、チーム入ったら土日必ず練習だもん。土日はゆっくり休みたいもん」
お前、言ってることが僕と変わらないじゃないか。僕に似ずアウトドアな子なのかなあ…と思っていたけれども根底にはやっぱり僕の血が流れている。
将来は僕と同じように、どっちかっていうとワールドカップよりもCカップとかDカップとかの女の子を目指すに違いない。
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10月03日(木)
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