ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■僕らはみんな生きている。生きているからいつか死ぬ。
パンダの赤ちゃんが死んでしまった日の夜。

仕事から帰って来て嫁に話したら嫁はそのことを知らなかった。

「ニュースを見てるヒマすらなかった」

パンダニュースを見ずとも目を白黒させてたってか。人間に限らず小さい命が消えてしまうのはやり切れない気持ちになるね…などと話していた。そしてその話の繋がりで

「そういえば、Rの蚕も死んじゃったんだって?」

過去の日記にも書いたと思うが、娘・R(8才)が学校の課題で蚕を一匹飼っていたのである。週末は家に持って帰って来ていたので、僕も時々桑の葉を採ってたりしたものだが、最近見ないので

「大きくなったかい?」

と聞いてみたら

「え?死んじゃったよ」

ケロッと言うものだからショックだったんである。

「死んじゃったって…成虫になったのかい?」

「ううん。さなぎにもならないまま」

マユを作ることもなく死んでしまったようだ。そんなことをあまりにも淡々と話すものだから

「死んじゃって悲しくないのか?」

と思わず聞いてしまったが

「悲しくないよ」

えー。僕はほんの少しだけ葉っぱを食わせてみたり、ほんのわずかの時間であるが観察してみたりしただけであるが、それでも少なからず情が移っていたようで、悲しい気持ちになっているのに…。

「ちょっと世話しただけでも悲しくなるよね」

嫁に同意して貰いたくてそんな話をしたら

「うん、私も聞いた時にはちょっとどころか結構悲しかったよ!でも、なんであの子はあんなにあっけらかんとしてるんだか」

やはり同じように思っていたらしい。そういえば、カイコガのことを色々習ったようで、

「成虫のガになっても飛べないんだよ!可愛そうだよね!」

「成虫は口がないから何にも食べられないまま死んじゃうんだって!可愛そうだよね!」

飛べないことや食べられないことについてはすごく同情していたのに、何故死については何も感じないのだろう。もしかしたらRは、本当は死んでしまったことについて育ての親として責任を感じているが、「大したことじゃないんだよ」と思いたいがために無頓着な態度を取っているのでは…などと考えてもみたが、基本頭の中はお花畑なのでそんな複雑な心理状態ではないと思う。

カイコをうまく育てられるか、ということだけではなく、命を育てるとはどういうことか、育てながらいろいろ考えたり感じ取ったりすることも学校の課題の目的であるはずだ。でもRはなんか右から左にスルーしちゃってるような気が…。、

カイコだけにマユをひそめてしまう僕であった。

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07月13日(金)
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