ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■オサネク(おっさんネクストドア)
貧乏長屋で暮らす我が家の隣に、新しく引っ越してきた人が挨拶に来たらしい。

僕は仕事だったのでいなかったが、

「あのねー、イケダさんっていう男の人だったよ!」

娘・R(7才)と息子・タク(5才)が説明してくれた。

Rによると、ちょっと前、大家さんが誰かとウチの前で喋る声が聞こえてきて

「お隣にはふたりのお子さんがいるんですよ」

と話していたのだという。おそらくこのイケダさんが説明を受けていたのだろう。

「ふたりのお子さんってRちゃんとたっくんのことだよね!」

Rは何故か喜んでいた。自分のことが話題に出されて嬉しかったらしい。そして嬉しそうな人がもうひとり。

「コレもらっちゃったー」

イケダさんからいただいたという焼き菓子の詰め合わせを大事に抱える嫁。このスイーツは、オーナーパティシエがCCBみたいな変なメガネをしている、近所のわりとゴージャスな洋菓子店のものである。

引っ越してきたばかりなのに既にこのあたりの地理的なツボを押さえている!あとはプリンセステンコー似の腰の低いおばさんが、危なっかしくもサービス満点で接客するこの街最古の名物喫茶店と、キャバクラ「EKD48」を押さえとけばこの街はシメたも同然。

見たわけではないけれども、なんかソツがない感じの人だなあ、と思い、

「イケダさんだけにイケメンだったかい?」

と聞いてみると

「ううん」

「全然」

「ちがう。おっさんだし」

R、タク、嫁、全員一斉に否定。ひどっ。

「髪が凄い長くてね…後ろで束にして結んでいるのよ」

「じゃあマンガ家かな」(偏見である)

「服もジャージ…っていうか、あなたが寝る時着てるスウェットみたいなもっさりしたやつで」

「やっぱマンガ家かな」(偏見である)

この街はマンガ家が多い。と、昔アシスタントをしていた友達に教わったことがある。ある日、全身迷彩服で歩いている人と擦れ違った時に

「あの人もマンガ家なのよ」

とコッソリ耳打ちしてくれたこともあったなあ…。それはともかく、僕らがここに来た時に隣にいた家族は、Rと同じ年の女の子がいたこともあり仲が良かった。しかしその家族が引っ越して次に入った人、そしてそのまた次の人とはほとんど繋がりがないまま知らぬ間に引っ越して行ってしまい、寂しい思いをした。

今度のイケダさんとは仲良くしたいなあ…と思うのだがどうだろう。子供繋がりとか、何らかの接点がないと無理だろうか。そこは諦めずに頑張ってみたい。

隣人だけにネイバーギブアップなのよ。

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04月17日(日)
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