ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■<DIV>デブ</DIV>
子供達の朝は早い。

僕が起きる前から朝ご飯を食べている娘・R(7才)と息子・タク(5才)。

大人しく食べているウチはよいのだが、ついついお喋りが多くなったり

「パパ起きろー!」

飽きて寝ている僕の上に飛びかかってきたりし、お行儀が悪いこともある。そうすると

「ホントに学校遅れるからね!お友達先に行って貰うからね!」

嫁がブチ切れてカリカリカリカリしながらケツを引っぱたく。そんないつもの朝。それでもRとタクが何やらカヤカヤカヤカヤ喋りまくってエキサイトしており、

「Rちゃん、顔がデブになってるんだよ!」

タクがひときわ大きな声でひどいことを言う。これにはいくら頭の中がお花畑のRもさすがにムッとして

「Rちゃんデブじゃないよ!」

口をとんがらして反論する。そして

「パパ、Rちゃん顔デブじゃないよね!」

え、僕?いきなり話を振られてしまった。

「も、もちろんデブなもんか。カワイイよ!」

取り敢えずそう答えておいた。正直なところ、Rは特に冬場は顔デブになるんである。冬眠に備えて脂肪を溜め込みました、もしくは防寒のために脂肪を身に纏いました、もしくは某パン職人により作られた新しい顔、みたいな感じで…。

普段はあまり感じないのだけれども、撮った写真をまじまじと見てみると

「…今年も肥えてきたな。どうりで冷え込むわけだ」

トンボが飛んできたからそろそろ秋物を出そう、とか、稲川淳二が出て来たからもう夏だなあ、とか、まるで季節の風物詩のような感じで、Rの顔の肥え具合が冬の到来を知らせてくれるんである。

すなわち僕もタクと同じように思っていたわけで…。しかしそれを親が言ってはいけないと思う。親の言葉って子供にとっては呪いと同じで、

「お前はバカなんだ」

と言われると、ああそうか、自分はバカなんだ、とずっと引き摺ってしまったりする。だから僕がRに「そうだね」と言うわけにはいかない。

いや、それ以前に、親じゃなくても女の子にデブとか言ってはいけない。このままではタクは至る所で女の子を傷付けてしまう、と思い

「女の子にデブとか言っちゃいけないよ。モテないぞ!」

タクにそっと言い聞かせたのだが

「モテるって〜?」

しまった。あんまりよく分かってなかった。何しろタクが一番好きでカワイイと思っている子は男の子なんだよなあ…。わりと早くもお家断絶の危機になっている。女に興味がなく女に容赦ないタクは将来人のファッションにダメ出しするピーコのような立ち位置になるのだろうか。

とにかく僕もタクに寝ているところを飛びかかられて起きざるを得なかった。R同様ダメージを受けているんである。もっと寝ていたかった。

すなわちデブ足である。

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02月25日(金)
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