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エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■はじめてのハイチュウ
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あれは9月のことじゃった。

僕はキッザニア(子供達が楽しみながら職業体験できるテーマパーク)の予約を取ったのだった。娘・R(6才)と息子・タク(4才)はハンバーガー屋さんになるのかな?それともピザ屋さんかな?消防士かな?ふたりが一生懸命働く体験をしているところを見てみたかったのである。

既に約1ヶ月半後まで予約が埋まっていて、取れたのは10月中旬の土曜日。それまで首を長くして待っていたのである。ところが10月に入ってから仕事が忙しくなり、僕はどうしても休めなくなった。

キッザニアはお金を前払いしないと予約を受け付けてくれない。そして1度予約を入れたら最後、キャンセルが効かず、行けなくなっても絶対返金しないという非情なシステムである。僕の代わりに誰かが行かないともったいないので栃木から母を呼び出し、嫁と子供達で行ってもらうことになった。

「言い出しっぺのあなたが行けないんじゃかわいそうにねえ」

と苦笑いする嫁に

「頼む、せめて僕のデジカメで写真を撮ってきてくれ」

そう託して撮ってもらったのがコレである。

Rとタク
ジュース屋さん。

Rとタク
次はソフトクリーム屋さん。

Rとタク
そしてガソリンスタンド。

Rとタク
あと何故かもともとリアル幼稚園児なのにわざわざ幼稚園(しかも園児役)。

写真を見るだけでも悶絶するほど可愛いのに

「じゅーすやさんやったんだよ!そふとくりーむつくったんだよ!ばっくおーらいってやったんだよ!」

と興奮気味に話すのを聞かされ、ああ、やっぱり行きたかったああああ…。でもいいのさ、君達さえ楽しければ…とひとり枯れていたところに

「はい、パパのハイチュウだよ」

Rとタクが僕にお土産をくれた。森永のブースでハイチュウを作る体験もしたのだと言う。つまりこれはふたりが作ったハイチュウなのだ。

「あ…ありがとう…。これ、パパが食べてもいいの?」

「うん!」

ケースに入ったハイチュウは4個。全て僕が食べてよいのだという。

「うむ。パパはお土産をくれたという君達の気持ちだけで満足だ。もし食べたかったら食べてもいいよ?」

「いいの!パパ食べて!」

なんという思いやりのある子供達なのだろう。正直なところ、僕はハイチュウとか甘いものはあまり食指が動かないため、上記のように気持ちだけで充分ということにしたかったのだが、妙なところで律儀である。お菓子に目がないRとタクだから絶対飛び付くと思っていたのに…。

「ねえパパ食べて〜」

Rとタクはキラキラした瞳で僕を見つめる。うーん。正直、今、あんまり食べたくない。

「ぴっかぴっかちゅー」

「それはハイチュウじゃなくてピカチュウでしょぎゃはははは!」

逃れるためにダジャレでごまかした。

「はやく食べて〜」

「でぃすいずあぺーん!」

「?」

平成生まれにアライチュウは分からなかったようでごまかし失敗。

「今日はもう遅いからね。虫歯になっちゃうから明日食べるね」

とかなんとか言ってこの日は誤魔化した。で、次の日は食べなかったら

「パパ食べてない!」

ハイチュウのケースを持ったRのチェックが入ってしまった。

「一度に食べるともったいないからちょっとずつ食べるのさ」

慌てて言い繕って覚悟を決め、1日1つずつ食べたよあたしゃ。

「今日食べた?」

「うん。いっこ食べたよ」

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11月07日(土)
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