ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■真夜中の吸血鬼
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「ねえパーパー」
何かというとベタベタと甘えてくる娘・R(6才)。まるで新婚カッポーのようである。でも僕はこのラボラボ状態が永久に続くことではないことを知っている。
見よ。かつて本当に新婚カッポーで、自らを「ラブラブ妻」と呼んでいたうちの嫁はもう近寄りもしない。いつもお股を開くだけでひと苦労である。諸行無常。形あるもの、いつかは請われる。張りのある乳、いつかは垂れる。
それまでは目一杯ベタベタするんだ、と僕も負けじとRにベタベタしてじゃれていると、急にRのテンションが下がり
「あのね…パパ、夜パソコンとかするのやめて欲しいの」
と大真面目に語った。
「え、なんで?」
この日記は、いつもRや息子・タク(3才)が寝静まった深夜、寝室の隣の部屋にあるパソコンで書いている。そのことを言っているのだろうか。
夜中ふと目覚めてしまった時、僕がいっしょにいなくて寂しい、とかそんな訴えなのだろうか。まったくもう、本当にパパベッタリの甘えん坊なんだから…と抱き締めたい気持ちになってしまったが、
「あのね、『ぶーん』って音が怖いの」
Rは「音」が怖いのだという。
「…パソコンのファンの音か?」
但し僕のパソコンは隣の部屋に聞こえるほどうるさくはないので疑問が残る。それとも僕のひとりみだらプレイのシコシコ音のことなのだろうか。僕ってばそんな派手にやらかしちゃってたのかギャー恥ずかしい。いやいや待て待てあれはあくまでシコシコ音でありブーン音ではない。
と、Rの話が全く読めないでいると
「違うのよ」
嫁が横から解説を始めた。Rが言いたいのは以下の通りである。
夜中、Rの耳のそばを飛んでいた蚊の「ブーン」という音で目が冷めてしまい、その音が怖かった。いつもはRの横で寝ている僕に助けを求めたかったけど、その時はちょうど隣の部屋でパソコンをやっていたのでいなかった。
「…っていうことをママにも言ったんだよねー、Rちゃん」
「うん」
Rは深く頷いた。僕もやっと理解できた。
「そうかー。蚊がいたのかー。怖かったのか。ごめんな」
「あのね、たっくんはママと寝てたけどRちゃんはひとりで怖かったの…」
Rの寂しそうな表情に僕はもうメロメロである。文字通り虫も殺せない娘なんて、ますますパパが守ってやりたくなるではないか。しかしだからといって一晩中蚊の番をしているわけにもいかぬ。
夜中は夜中でパンツを脱いだりパンツをはいたり、嫁の周りを蝿のように舞い、蚊のように刺したり、といった大人の事情で忙しいのだ。
「もし今度蚊が来たら『パパー』って呼びなさい。っていうかなんでその時も呼ばなかったの?」
と聞いてみると
「怖くて声も上げられなかったんじゃないの?」
と嫁。
「そうなの?」
「うん」
Rはまた頷いた。この子ったらもう、どこまでオヤジの「守ってやりたい心」をくすぐるのだろうか。
まさに蚊の鳴くような声ってか。
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08月20日(木)
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