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エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■送り狼【幼稚園編】
クリックしてね!←クリックしないと枕元に牛乳雑巾を置かれるであろう。

仕事が休みだったので娘・R(5才)と息子・タク(3才)を幼稚園に送って行くことにした。

タクが入園してからまだやったことがなかったので、一度でいいからタクの登園姿を見たかったのである。しかし問題がひとつある。

普段嫁が送っているが、幼稚園に着いて別れるところで、タクは「ママー!」と泣いてしまうんである。タクが大好きな嫁でさえこれなのに、僕が送るとなると更に泣き喚く恐れがあった。

「どうだい、今日はパパと幼稚園に行ってみようか」

恐る恐る子供達に尋ねてみると

「わーい!パパといっしょー!」

Rは大喜びなのだが、タクには

「えー、やーだぁ。ママとがいいー!」

案の定拒否されてしまった。しかしここで引き下がるつもりはない。

「今日パパ会社お休みだからさ、たまには一緒に行こうよ」

しつこく食い下がると

「やだー!ママといっしょがいいー!あとRちゃんだいすきー!Rちゃんと結婚したいー!」

とか訳分からないことを叫び始めて。パニクってしまったようである。

「だめよ!Rちゃんはパパとけっこんするのよ!」

Rは思いっきりタクを振ってるし。タクはキョトンとした顔になり

「え、そうなの?じゃあママでいいや」

と言うと

「ママ『で』いいやとは何なのよーッ!」

今度は嫁がヒートアップ。タクよ。お前はたかが僕と幼稚園に行きたくないというだけで家庭崩壊させる気か。僕は家長として危機を乗り越えねばならん。

「じゃあさ、しりとりしながら行こうよ」

こんなエサで釣れるかな…と思いつつダメ元で言ってみたら

「うん。いいよー」

あっさり釣れた。素直な息子である。

そんなわけでしりとりーりんごーごりらーらまーずほうー…としりとりをしながら幼稚園まで。タクの教室に向かうと先生がお出迎え。

「それじゃ先生、よろしくお願いします」

「はい、お預かりしまーす」

「タク、頑張れよ!」

いつもならここが泣くタイミングなんだな…と間を計りながらタクを先生に引き渡す。タクは靴を脱いで上履きに履き替えようとする…。おお、泣いてないではないか!

ただ上履きを履くのが遅い。足元を全く見ておらず、どっかあらぬ方向をボーッと眺めながらのったらのったらやっていたので

「タク、ちゃんと上履きを見て履きなさい」

と注意したら

「う…うわああああああああん!」

タク号泣。しまった。なんか知らんけど地雷踏んじゃったようだ。

「ああああ、怒ってるんじゃないよ。ほら、ちゃんと履いてな」

慌てて頭を撫でてあやすと、

「たっくん、がんばるのよ」

Rもタクの両肩をガッシリ掴んで励ます。R、お前、いいお姉ちゃんしてるなあ…。明子姉ちゃんみたいである。

タクはシクシク泣きながらも先生に手を引かれて教室に入って行った。その後ろ姿がとても健気に思え

「タク…立派な幼稚園児になるのですよ…」

思わず言葉がこぼれてしまった。

「一休…立派なお坊様になるのですよ…」

一休さんを寺に預けた母上様もこんな気持ちだったのかな…っていささか大袈裟か。

タクを見送った後はRを見送る。Rは僕に手を振りながら、思い出したように

「あのねー。パパがいる時はパパと結婚して、パパがいない時はたっくんと結婚するの。それでいい?」

そんなことを言った。

「うーん…。それって色んな意味で法的にアウトなんだけど…」

弟思いについては明子姉ちゃん並みだが、トンチについては一休さんには及ばないようだ。

ポクポクポク、ちーん。

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05月02日(土)
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