ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■手が届かなくなった美少女。
電車の中で雑誌を見ていたら、
あるカフェのオープンが記事として載っていた。
オープニングで張り切る店員さん達の写真。
中でもひときわ可愛い店員さんが大きく載っていて…。
僕はここで悲鳴をあげそうになった。
Rちゃんだ!
Rちゃんとは近所のゲーセンに勤めていた
僕の超お気に入りの美少女。
ここ1ヵ月ほど電話すら繋がらなくて
非常に寂しくもあり、何をやっているか
心配だったのだが…。
こんな立派に働いているとは。
こんな可愛い制服来ちゃってますます可愛い。
あたしゃ、どうしたらいいんだよ。
(それほど可愛い写真だったのである)
「みみみ見てください、この子、僕の娘なんです!」
と電車中の乗客に見せびらかしたい衝動を
かろうじて抑え(娘じゃないし)
家に着くなり嫁に雑誌を見せた。
すると嫁は毛虫でも見るような目で僕を睨み付けた。
「ほんとだ、Rちゃんだ…ところでアナタ、鼻の下長いよ」
「うるさいっ。嫁、お願いがある」
「ナニヨ?」
「Rちゃんに電話してくれ」
「はあ?自分でしなさいよ!」
「いや…僕、シャイで純情で乙女ちっくだから」
「何が純情よ!
何がシャイよ!
何が乙女ちっくよ!
前、Rちゃんと電話で話してたじゃない!
もの凄いエロな顔して!
しかもよりによってアタシの目の前で!
アタシの目の前で!
アタシの目の前で!」
嫁は怒って手に負えぬ状態になってしまったので
Rちゃん電話は諦め、僕から改めて雑誌を眺めた。
こうして見ると、メディアに取り上げられたRちゃんは
なんだか僕らの手が届かない存在になってしまったような
気がする。
…。
嫁が肩越しにニュウっと覗き込んできた。
「アナタ、なんか切なくなってない?」
ぎく。
いや、だから、シャイで純情で乙女ちっくだって…
なんてことは言えない。
03月15日(土)
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