ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
[5183694hit]

■2回めのサヨナラ
会社の昼休みに織物職人ヨウコさんに会った。
デンマークの大学の講師となりもうとっくに旅立ったかと思ったら
フライトを31日にあっさり延期していた。

なんでも今日はいろんな人に挨拶してまわってるんだとか。
とりあえず喫茶店に行く。

ヨウコさんぶつぶつ呟いてる。


「アイスコーヒー、牛たん定食、アイスカフェオレ、
 アイスコーヒー、ケーキ、コーヒー、アイス、アイスコーヒー、
 コーヒーゼリー…」

「なにそれ?」

「今日口にしたもの〜沢山の人とそれぞれ茶店でに会ってるから」

一体何人に会ってるんだか。

「それでね…みんなに配ってるんだけど…一人二枚ずつ」

ヨウコさんはポストカード二枚取りだし、ハンコをばん、ばん、
とそれぞれに押した。

ポストカードに「AIR MAIL」と赤い字がついた。

「このハガキでね、デンマークの私宛てに送って欲しいの」

「…いいよ?」

良く話を飲み込めてない僕。

「あ!二枚同時に出しちゃだめだよ!私が向こうでへこんでる時期を
 見極めて、出してね」

「そーいうことか。それを2回やれということか。分かったよ」

昼休みの残り時間も少なくなり、記念にプリクラを撮った。
しかし、見事大失敗して二度と見たくないものになってしまった…。

駅でヨウコさんを見送ってお別れ。

彼女は何度も振り向いていた。

今度こそ、サヨナラ。元気で。
08月30日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る