ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■バカスカバースデー
7年ほど前、まだ大学生だった頃のある時。
彼女は同じ大学の子で、僕のひとつ下の学年だった。

近頃彼女の機嫌どうも悪いなーって時期があった。

ちゃんと話してはくれるんだが
妙に突き放した態度が気になって

「なんか悪いことしたか?」

と首を捻っていたが思い当たることもなかった。

ある日構内を歩いていたら彼女の親友、タエコが
向こうから歩いてくるのが見えた。

ちょうどよい、ちょっとタエコに話を聞いて探りを入れてみるか、
と思った矢先、向こうも僕に気がつき
「あっ!!」という顔をした。

僕が声をかけようとするより先に、
ドドドドと猛ダッシュで駆け寄って来た。

そして開口一番

「ちょっと!!×××(彼女の名前)の誕生日を忘れてますよ!!」

と怒鳴った。がーん。

不機嫌な理由はこれだった!

いきなり答えが分かってしまった。
分かったのはいいがこれはヤバイ…。

「しまった…で、あれ?いつだっけ?」

タエコは救いようの無い奴…と視線で侮蔑し、

「彼女の誕生日ぐらい覚えときなさいよ!!6月4日!」


更にがーん。既に1週間以上過ぎていたのだ。

「…怒ってた?」

「…愚痴ってました」

鼻の頭にはもう脂汗が流れていた。

タエコは僕の大ボケぶりに痺れを切らして
タレこんで来たのであった。

タエコに感謝し、彼女を探しにすっ飛んで行ったのは
言うまでもない。

それからが大変だった。彼女に謝りなだめすかし、
なんとか改めてお祝いするから、ということにこぎつけた。

それで一言、

「でもさ、君から言ってくれてもいいじゃないか」

僕はちょっと恨みがましく彼女に言ったが、

「シャクだから意地でも自分からは言うもんか、って思ってた」

まだトゲのある口調で答えた。何も言い返せなかった。

そんなわけで今日はその彼女の誕生日である。
過去の過ちを踏まえて休みを取ってある。

ご奉仕いたします。。
06月04日(日)
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