ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■エンピツ・メモライズ。
あの子は合格したんだろうか。もう分かりようがないけれど。
卒業式が来た。校庭の桜は満開ではなかった。テレビドラマなどは
何故いつもタイミングよく桜吹雪なんだろう…。
そんなことよりも僕にはやることがあった。
式の後、理科室に忍び込んだ。
ひょっとしたら彼女は見てくれたんじゃないだろうか。
そして何か返事を書いてくれているんじゃないだろうか。
机の前に立った。返事はなかった。
ま、こんなもんか。さらば中学生活。僕の今の心境をそのまま
表わしたようなガランとした理科室を暫し眺め、帰ろうと思った。
ドアに手をかけようとした途端、外からガラッと勢い良く
開けられて、思わず前のめりになってしまった。
目の前には僕と同じ卒業証書の筒を持った女の子。
僕の顔をまじまじと見ている。
「私が38番ですよ」
桜の花が満開になったような笑顔だった。
01月01日(土)
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