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Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review @ Tokyo
by Niseko-Rossy Pi-Pikoe
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■「タダマス7」後記
7−9月入手の夏枯れ予想も何のその、益子博之=多田雅範四谷音盤茶会7、選曲された10(+1)曲、捨て曲無しのトータルアルバムみたいな楽しさがあった。なにか「兆候」と明示できるものは言明できなかったけれども、「これに快楽を感じている!」という強度のヴァリエーションたちは、とても「ジャズ」の枠には収まっていないものたちであって、確実にシーンは雑多にうごめいていてところどころに発火点のポイントがあった。ジャズに聴こえないジャズの未来は、こんなかんじの向こう側に視えているのではないだろうか。
01 Jeremiah Cymerman
サイマーマンの『Fire Sign』にはまったくグルメなサウンド編集者ぶりに圧倒されていた。快楽主義者(たぶん)エヴァンパーカーの賞賛もわかる。おれはインプロとジャズに誤解(*1)を持っているので、このコンポーザー資質には新しい世代の感覚を覚える(菅野よう子に似ているとも思った)。空間的な音場の隅々にまで耳をそばだててしまうのは、かすかな音の配置や処理具合によるんだろう。それはそうとして、魅惑的に感じられるのは曲の強度による。
02 Eyvind Kang
フリーゼルとの作品や、spoolレーベルのコレ■でブノワ・デルベックの僚友フランソワ・ウールとの「らしい」作品のあるアイヴィン・カン。韓国系アイスランド人だそう。このひとも「空間的な音場の隅々にまで耳をそばだてさせる」弦楽アンサンブルを問うている。いきなり「化けた」感じ。
03 Paul Lytton / Nate Wooley
このトラックはイクエ・モリのラップトップの空間的描出が効果的かつ魅力的。ポール・リットンのドラムワークは後方で聴こえるように処理されている。いわゆるラップトップの演奏は見限っていたのだけど、この演奏はいい。CDではケン・ヴァンダーマークが入るとただのフリージャズになってしまう。
04 Alexandra Grimal
Todd Neufeld (g), Thomas Morgan (b), Tyshawn Sorey (ds) を従えた女性サックス・カルテット。サックス以外の3にんが、トランス状態の集中インプロ、まさに菊地雅章TPTトリオの速度と集中、に、インした演奏。こ、これ、これですよ、この無重力に投げ出されてしまう別格の境地!
05 Paradoxical Frog
Ingrid Laubrock (ts,ss) Kris Davis (p) Tyshawn Sorey (melodica) ソーレイのメロディカ!これもヘンで強度あるドキドキするナンバーだったなー。
06 Dave King
おれ、バッドプラス興味ないし。アイヴァーソンがECMでピアノ弾いたのは、一定の評価ができる味わいだったけれど。デイヴ・キングはバッドプラスのタイコで、このトラックでは waterphone を繰っている。ミネソタの小さな教会でのライブ録音、の、サウンドのオーラがなんか凄い。演奏自体は技巧的にはそれほどでもない。
07 Jozef Dumoulin Trio
初聴きでゾッコンになった変態ロック的なピアノトリオならぬフェンダーローズ・トリオ。あ、これはポスト・ジョー・ザヴィヌルであると益子さんが指摘していたのではなかったっけ(打合時)。ベルギーの才能かー、クレプスキュールな肌触りあるな。
08 Hafez Madizadeh
ヴィジェイ・アイヤーがイラク音階に調律されたピアノを弾く。阿鼻叫喚。他の楽器群によるサウンドは、オーネット・コールマン近傍な聴きやすさがあるのに、ピアノがやばい。もう、これ無しには生きてゆけない、恋の予感。そしてやがて平均律な音楽を聴くと吐き気がしてくるのだ。ビル・エヴァンス・トリオが悪魔の音楽に聴こえるようになる。
09 Jessica Lurie Ensemble
このトラックはポップスな歌もの。初期のケイト・ブッシュ的世界を描き、後半のアレンジはピンク・フロイドの夢の中のジュリアみたいな。バンジョー界のステーブ・ヴァイ、ブランダン・シーブルックも吉。言わんとするところは、もはやジャズ体験による純粋培養のミュージシャンなんか居なくて、自然にポップスの表現が出てきてしまうこと。
10 Tony Malaby / Per-Oscar Nilsson / Johnny Amon / Peter Nilsson
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10月22日(月)
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