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Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review @ Tokyo
by Niseko-Rossy Pi-Pikoe
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■虹釜太郎さんと福島恵一さんとの5時間なんて、ぜったい聴きに行く!
台風一過。被害が出ないようにいろいろ備えて、待ち伏せて4つくらい吹き飛ばされそうな暴風に向かって「もすこしで飛べそうだー」と叫び、若い従業員から「ハウルじゃねーだろおやじー!」とヤジられる、午前3時半の一服タイムに喫煙所から見上げた見事な満月、「おおお、台風一過で中秋の十五夜だよー」、6にんで見上げた。
見上げた首都高のすき間に凛として十五夜、彼方に橋爪亮督グループのサウンドを想う。
福島恵一さんの「耳の枠はずし」、二記事連続の名誉に浴したことを知る。このおれをダメオヤジだと思っているすべての若者に読ませてやりたい。
耳の枠はずし「多田雅範の文章世界(補足)Masanori Tada's Composition World (Supplement)」
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迷わずCD購入に走った福島さんの記述、
「あるいはうつらうつらとした夢うつつのうちに気がつくともう遠く通り過ぎている夜汽車の踏み切りや、鳴り終わってから気づく階下の大時計の打刻鳴鐘、とうに灯明を消したはずの仏間から漂ってくる香の匂いを。古井由吉の作品から聴こえてくる誰のものともつかぬ(死者の)声を思わせる音の手触り。」、
このテキスト、が、わたしの脳内のやや濃い部分を次々に突いた、これは引用というものではなくわたしはタガララジオで書きながらそこで声を出して「読んだ」。それをそのままテキストを置いた。
それを福島さんが読んで、感触の変化を感じ取った。
「うつらうつらとした夢うつつのうちに気がつくともう遠く通り過ぎている夜汽車の踏み切り」は、列車の座席の固さや窓ガラスの冷たさを思い出させ、「鳴り終わってから気づく階下の大時計の打刻鳴鐘」は古い家屋の軋みや遠い風鳴りを伴い、「とうに灯明を消したはずの仏間から漂ってくる香の匂い」は湿った畳や古い座布団の匂いと混じりあって眼に見えるほどはっきりとした際立つ強い香りとなる。
ま、まさに、わたしはこういう感じで読んでいた!
どうしてわかったんですか?、と、こういう感じで書いたのではないのですか?、とも、つい考えた。
福島さんとぼくと、書くと読むが、予期しない意図しない響きを、互いに聴いていた。
・・・なーんて、福島さんと対等なもんではないんですが。
夢の記述、耳のパリダカールラリー、疾走する哀しみ、と、タガララジオはわたしの執筆動機からは予想できなかった「わたし」が映っていたとして、わたしはわたしを模倣するように歩むようにはならない。わたしは内田百フを読んだことがあまりないが、内田百フにはならない。「このトラックを聴け!」と、未来の読者に残す!というのがわたしの意気込みなのだ。まだまだ書いていないトラックは100以上あるぞ。これからも見つけるぞ。ずばり、めざすはポスト吉田秀和なのである。
・・・なんて、まじで書いていながらバスター・キートンになっているあたりが、男はつらいよ、である。
虹釜太郎さんと福島恵一さんとの5時間なんて、ぜったい聴きに行く!
今のところフィールドレコーディングとかアンビエントとかしか呼称されていない領域なのだけど、世界レベルでその耳の最先端を視ているのが福島さんと虹釜さんだろう。現代ジャズは益子博之さんだろう。そしてこのあたりはつながっているようなのだ。
虹釜太郎 スパイス部
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10月02日(火)
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