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Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review @ Tokyo
by Niseko-Rossy Pi-Pikoe
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■「ダウンタウン・ミュージック・ギャラリー(downtown music gallery)」・ペーターコヴァルトに捧ぐ・川端民生
アメリカでのジャズ即興系のCD購入にオススメなのが「ダウンタウン・ミュージック・ギャラリー(downtown music gallery)」です。
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はっきり言ってからだに毒です。アーティスト名を読むだけで、脳内麻薬物質がドバーッと出て禁断症状に指が震えてしまいます。
■ダウンタウン・ミュージック・ギャラリー
>ロバート・ワイアットのチェックリストにはガルバレクの娘(Anja Garbarek)のCDもー。
4人のコントラバス奏者の巨匠がここに集結した・・・、と紹介されているこんなCDがリリースされている。
『BARRE PHILLIPS/JOELLE LEANDRE/WILLIAM PARKER/TETSU SAITOH - After You Gone (Victo 091) 』■Victo レーベル
Live at the Victoriaville Festival on May 23rd of 2003.
国際コントラバス会議の議長(!)を務める欧州即興のしなやかな知性、バール・フィリップス〜。ヘイ、タクシー!と90年代に颯爽と登場したフランスの女性即興演奏家、ジョエル・レアンドル〜。この人が弾かないジャズはない、参加作はすべて名演名盤、現在進行形ニューヨークジャズの巨人〜、ウイリアム・パーカー。東京タンゴはもはや伝説、汎アジアを体現するベーシスト、門下生としてもっとも高柳昌行の闇と光を継承している、真っ先に聴け吐きそうな低音〜、斎藤徹〜。
・・・ほとんどリングサイドのアナウンサーになってしまうが。
4人のベーシストによる競演、だ。前例なし、たぶん。しかも、この水準のベーシスト、世界を探しても、あと何人いるかどうか、である。
まさに競馬で言うところのGI(グレード・ワン)。
ベーシスト、この水準で、あと?ううむ、ブルーノ・シュビヨン、エルンスト・レイスグル、デイヴ・ホランド、バリー・ガイ、ペーター・コヴァルト・・・。
2002年9月21日ニューヨークで急死したドイツのベーシスト、ペーター・コヴァルト、に、この演奏は捧げられている。
世界でおそらく初めての3人のベーシスト(バール・フィリップス、井野信義、斎藤徹)による即興演奏集『オクトーバー・ベース・トライローグ』(■)が発表されたのは2001年。この時の、アイディアがもとになっていることは間違いないと思う。
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音楽は聴く者をどこかへ連れてゆくものだ。
ともに演奏していたベーシストが突然どこかへ行ってしまう。一緒に、明日のことなぞみじんも不安に思わずに過ごしていた友だちがいなくなること。
去年、ウイリアム・パーカーがペーター・コヴァルトとのデュオ演奏をコヴァルトの息子の絵(たしか)をジャケにしてリリースしていて、秋口にぼくはそれを聴いて、その生き生きと闊達なやりとりが笑ってしまうくらいにはじけていて、ほんとうにそれだけの即興演奏で、ぼくは思わず涙が出てきていた。これをたとえば客観的に即興演奏として評価したところで、それは誰のためのどんな行為なのだろう。
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ベーシストが亡くなった、といえば、ベース奏者の川端民生に捧ぐライヴもたしかあった。
川端民生が亡くなったときに、どこかのサイトで、「菊地さんがコメントを発表している」と読んで、ぼくは菊地雅章だと思ってそのテキストを読むと、菊地成孔のものだった。ぼくはその時はじめて菊地成孔の名前を意識した。ティポグラフィカも聴いて騒いでいたのに。
その音源を2枚組くらいでCD化できないものだろうか?
小沢健二(『球体が奏でる音楽』、lovers@日本武道館)も、菊地成孔も、そのCDにコメントを寄せてくれるだろう。
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(ぼくが2001年に書いた文章)
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02月07日(土)
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