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Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review @ Tokyo
by Niseko-Rossy Pi-Pikoe
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■(タガララジオ31テキスト:9月末更新予定)
おれも90年代はアタマのいかれたECMオタクだったから、当時のポリドール社ECM担当者に平日の午後に突撃訪問して「最近のECMですけど、特にヨーロッパのジャーナリズムで絶賛されているジョー・マネリとルイ・スクラヴィスを国内盤にしないというのはオカシくないですかー」と、まさにクレーマー。その後、何枚かはマネリとスクラヴィスの国内盤化が叶ったわけだけど、当然ポリドール社の財務を悪化させ担当者を苦境に追い込んだだろうことは、まったく申し訳ありませんでした。
まー、自慢話だな。すまんね。
菊地雅章のTPTトリオは、さ。このジミー・ジュフリー水脈というセンで、スティーブ・レイクがプロデュースしてリリースされるべきものなんだよ。いやー、このトリオにはこだわるよ、おれ。Intoxicate #99のインタビューで、菊地雅章はこのトリオにアンドリュー・シリル(タイコ)、ティム・バーン(サックス)を加えようと考えているようだけど、おいおいちょっと待ってくれよという感じだね。
おい、おれの話をきいているのか?ECMよ。
それにしても新生ワイアードの特集はいつもすごいし、480円だなんて信じられないクオリティ。
地図はもはや役に立たない。必要なのはコンパス。
上京して新聞配達して、新聞配達していた友人と2DKのアパートを借りて、5万だか10万だか大金はたいて電話をひいて。今となっては、どうでもいい80年代ポップス。古本屋、中古レコード屋だらけの水道橋・神保町・御茶ノ水界隈。タイムリープしたいよお。
スペインだよなあ、フラメンコだよなあ、パットメセニーグループファーストサークルだよなあ、と、わずかな指先から放たれる意地っぱりな女の子の恋心みたいな揺らぎにめろめろになってしまったピアニズム。素晴らしい!
このピアニストはスペインに在住し、“彼女はフラメンコの感情を楽譜にしみ込ませることを知っている”(Web雑誌デフラメンコ)との評価を得ているという、正しい形容だなあ。レコ芸準特選ではないだろ、大特選にしてもいいと思うんですが。
Edition RZ(http://www.edition-rz.de/)は現代音楽のレーベルらしい。シェルシや鈴木昭男もカタログにある。
福島恵一さん「耳の枠はずし」でセレクトされていた作品(http://miminowakuhazushi.dtiblog.com/blog-entry-182.html)。
「あるいはうつらうつらとした夢うつつのうちに気がつくともう遠く通り過ぎている夜汽車の踏み切りや、鳴り終わってから気づく階下の大時計の打刻鳴鐘、とうに灯明を消したはずの仏間から漂ってくる香の匂いを。古井由吉の作品から聴こえてくる誰のものともつかぬ(死者の)声を思わせる音の手触り。」
このテキストを読んで聴きたくならないやつがいたらどうかしている。ノーベル文学賞が村上春樹であるようにノーベル音楽批評賞は福島恵一である。
これは夜中の天空の集会所で鳴っている音楽だ。
これは現代音楽なのかなあ、CDの録音レベルがすごく小さくて、耳をそばだてる環境が必須、パソコンのモーター音もうるさいくらいだ、寝静まった深夜にひっそりとひとりで聴きたい。都会であれば防音されてる場所で、・・・田舎でも鈴虫やらコオロギやらけっこうウルサイんだよな、夜中。ここには魂の儀式を思わせるざわめきがある。このサウンドスケープになら、宮澤賢治や稲垣足穂を持ち出してしまうぞ、わたしは。
稲垣足穂を持ち出してしまうと、あがた森魚の名盤『タルホロジー』を出さなければならないが、2000年にプラネッツアーベント(池袋サンシャインのプラネタリウムを会場にしたファンタジックなコンサート)開催記念限定CD(500枚)として発表されていた「雪ヶ谷日記」を聴きたい。
93年の『失われたボールをもとめて 〜寺山修司トリビュート』で聴かせた、朗読をベースに創作された手法の「パレアコリントスの幻」(You Tubeにあった>http://www.youtube.com/watch?v=unLqy6V-hfw&feature=related)の路線。
「イナガキタルホの20世紀を越える少年的郷愁ざわめくシンフォニー文庫第一集」
COBALT TARPHONIC 音楽文庫 第一集
1. Walrus Walrus
2. 雪ヶ谷日記
3. 冬のサナトリウム
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09月24日(月)
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