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Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review @ Tokyo
by Niseko-Rossy Pi-Pikoe
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■Hirai Youichi Lennie Tristano to Gabor Szabo Too Cool Jazz Project ライブ@新宿ピット・イン
 ついでながら、彼が率いる裏ユニット『ラテン・センチェリー』をちょこっとだけ紹介する。サックスの通称"エテ公"はカッコをつけたいだけのために極めて高額なサックスを所有する者で、まったく完全に練習をしないでスタイリッシュなスーツ姿でステージに現れる。バンドが淡々と演奏するスタンダード曲<枯葉>のサウンドに乗ってマイクに向かってポーズを決め、さあテーマに入るかと思いきや、眉間に皺を寄せたまま渋い顔のままスッと身を引く。この上なく期待が高まる演出だ。そして再度バンドの演奏に乗って、さあテーマ、……突如、追い詰められたかのように<枯葉>の旋律を思いっ切り吹くのである、音の出るタイミングはそうだ、ほんの時折正しい音がハマるがすぐに高音ノイズに逸れてしまう、まさに<枯葉>の旋律の気持ちが込もった"フリーキー・トーン"がえんえんと炸裂してしまう。渋い顔のまま顔を紅潮させたまま、これほどに旋律への希求を鮮烈に聴かせるサックスもない。音楽は技術ではなく魂であるという壮大なテーマか? と思わせる彼の格闘をよそに、バンドは淡々と後テーマに進む、まるで何事もなかったかのように、そこにサックスがいたとも思わないように進む、ジャズのタメを効かせたアドリブをさらっと各楽器が披露しながらエンディングとなる。彼とバンドの距離は物理的には数十センチなのに聴く者には果てしなく隔絶したものに映る。フリーキー・トーンを脱構築しているのかどうかは知らんが、死ぬほど笑える。
   <オリーブの首飾り>では、ノイズが客演する。バンドが軽快なポール・モーリアを練習する風情の中で、中央に座ったノイズマシンが「ガー」「シュルシュル」「ピー」「キー」「ゴー」とこれまた隔絶して鳴るさまは、鼻水がたれるほど笑える。
   というわけで、ギターを手にしている皆さんは、ぜひライブへお出かけください。

09月25日(木)
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