ID:7590
Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review @ Tokyo
by Niseko-Rossy Pi-Pikoe
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■CDレビューする・1
のどかで、クスッと微笑ませる柔らかさがある。笑わせようと意図したり、逸脱して異化させようと企んだり、のどかさを演出していることとも無縁でいる。ポストモダンなる語彙が有意味であった世代、古典が古典として居た時代の息苦しさがない。息苦しさと書いてしまったのは、54さいのワタシの経年耳の自覚でもある。
19さいのころを体験してしまっているのだろうか。いや、それは間違い、いまの、なし、なし。
祖父の仕事場に、手回しの金属ヤスリ機があった。クルクルと回した。いろんな材料を接触させて、音色や長さやタイミングを味わっていた。穴の開いた50円玉を祖父が戻ってきたらもらえるようにと思いながら。
マイクロフォンが至近距離の音まで拾ってしまうので、実際に人間がそこで体験しているサウンド風景とは、遠い。リアルでありながら、遠い。そこにノスタルジーの距離を適用させてしまうのは、誤った聴取である。
このCDに関わっているふたりの制作者の精神はとてもキュート。ワタシの耳の中で、彼らは遊び、ワタシは彼らと同化してひとときの時間を過ごしてしまう。
10月31日(土)
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