ID:7590
Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review @ Tokyo
by Niseko-Rossy Pi-Pikoe
[850918hit]

■お昼、晴天に花火の音が響く
坂本弘道はオフノート99年の『零式』を楽しんだ記憶がある。即興演奏家ではなく、クロスジャンルのパフォーマーだ。スガダイローはフリージャズ界のスター。坂本、スガダイロー、山本のパワフルなフリージャズ演奏からスタートする。60年代にはそれなりのオーラがあったフリージャズ演奏も、パワーアップし洗練されて響く。大道芸、芸能、皿まわし、やかん回しの風情。いっせーのせ、で、持てる技能の投げ込みごっこ、ステージ壁の時計を見ながらね。一般市民へのお祭りなんだからそれでもいいのかもしれないが、何も起こらない音楽に「これで終わったらずいぶんなものだ」と思うもの。救ったのが二人のパフォーマー。ホナガヨウコの身体の動きは、とりとめのない演奏にコミットして充分に魅力的だったし、何と言っても伊藤キムの存在感だ。何が起こるんだろう、何を起こせるんだろう、と、全面不安な中、唐突に「出席を取ります!」、これにはまいった。即興的に言葉を発して行ったのだろう、面白い!テレビ級のオーラがある才能だ、第二のタモリはここにいる。「やだやだやだ」「もうすぐ終わるよー」の絶叫には、状況に突き刺さる諧謔もあって、腹をかかえて笑った。こういうのが、声の、コトバの、即興のちからだと思う。


写真「センヤワ」
≪16:30〜18:00≫ 〜ears〜
センヤワ with 内橋和久
センヤワ
[Rully Shabara(vocals)、Wukir Suryadi(bambuwukir,bamboo flute)]
内橋和久(guitar,daxophone)
ヒカシュー witth 沖至
ヒカシュー
[巻上公一(vocal,cornet,theremin)、三田超人(guitar)、坂出雅海(bass)、清水一登(piano,synthesizer,bass-clarinet)、佐藤正治(drums)]
沖至(trumpet)
〈directed by巻上公一〉

ジャワ島のデュオ・プロジェクト「センヤワ」が圧巻。ヴォイスのルリー・シャバラの、まったく欧米にも日本にも無い発声のコントロール。これこそ異文化との出会い。ヴォイス・パフォーミングの至宝、巻上公一が惚れ込むのも当然だ。裏声なのか吐き出す音なのか鳥なのか動物なのか、コトバなのか声なのか、時間を忘れる面白さ。知らず再結成していたヒカシューの現在も、ニューウェーブの心意気が生々しいままに熟成された名人芸と逸脱感のあわいに類まれなエッジを効かせている。内橋の存在も、いいバランス。なぜにここに老兵、沖至名人トランペッター、と思考するが、ブッキングの妙と言える、合いそうにないごちゃまぜごはんにいい味でわさびが聴こえる風情で、とまどいと熱演がこのステージの演奏全体に至福な祝祭感を加味していたのが印象的だった。



写真「坂田明トリオ」
≪19:30〜21:00≫ 〜nose〜
坂田明 (sax)
アンドレア・チェンタッツォ(drums,percussion)、
藤原清登 (doublebass)
〈directed by 藤原清登〉


[5]続きを読む

09月14日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る