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Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review @ Tokyo
by Niseko-Rossy Pi-Pikoe
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■マーク・ターナーのFLYトリオECM盤のレビュー
でさ、ターナーの初来日公演んとき、五野洋さん(現55レコード・プロデューサー)は「トリスターノだね」と言ったわけだ。おれは目を白黒させたわけだ。そんで、その後、ターナーがリー・コニッツんところでセッションしたときに、コニッツが「トリスターノは何やる?何できる?」ときかれて「どの曲もだいじょうぶです」と涼しくこたえたターナーだったと、おれは知るわけだ。昨年平井庸一グループのライブで衝撃的な演奏を涼しげに披露した橋爪亮督(■)だけど、橋爪がトリスターノを演るこのグループにいた意味が俄然と浮かび上がってきたりもするわけだ。ターナーも橋爪もトリスターノという基本運動をみっちりとやったスプリンターであるという共通の背景を知るわけだ。
ECMアイヒャーは『ニューヨーク・デイズ』(■)で、このマーク・ターナーを捕らえた。そのターナーのレギュラー・トリオをこうしてリリースしてきた。次はどういう形でターナーを問うことになるのだろう。おれはね、突拍子もないこと書くけど、ウェイン・ショーターのフットプリンツ・グループで(ECMじゃないけど・・・)、ショーターの立ち位置で吹かせてみたいんだよね。ショーターの現在って、決して老境の悟りの語り口ではないように感じる。きっとね、本CD6曲目の1分ちょっと、を、高濃度で、不穏かつ大胆、吹かないで黙っている時間にもターナーの旋律が持続するような不敵な笑みのようなもの・・・日本語になってねえな、今は品行方正好青年なターナーもやさぐれてギャングに悪役のようなツラ構えになって、さ、キュートなかしゆかのような新人女性サックス奏者に「ターナーさま、どうしたらそのようなフレーズが吹けるようになるのでしょうか、おしえてください」なんてうっとりきかれて、ニヤリの笑うターナーは「おじょうさん、指の2本も斬り落とすようなことができないとこのトーンは出せないんだぜ、ベイビー」なんて劇画ちっくにこたえるわけだ。ううう、たまんねえな。
(多田雅範)
追記!
コンポスト編集長の益子博之さんはこのCDをレビューしてないと思ったけど、げ!書かれている。
■
そ、そうかー。禅か。禅といえばニック・ベルチュであり、ジョン・ケージだな。中庸の美学か。おれの聴取では「意識の継続」が快楽になるためには「6曲目の1分ちょっと」という契機が必要不可欠だった。それがなかったら「揚がらない凧はつまらん!」と背を向けたと思う。「置いてけぼりを喰ったかのような感覚」になったと思う。いやー、益子さんのレビューを読んだので、またこれから聴いてみよう。
追記2!
このCDレビューを書く直前に、たまたま編集CDRに入れておいたhitomiの「体温」を聴いて、「おおー!このhitomiの下降する旋律のよるべない切なさは、おれがマーク・ターナーの下降する、だらだらと鼻水をたらしてちり紙でビュルビュルかんでいるとドロヨーンと脳みそまで鼻から出てくるような感覚、と、共通性がある!」と、ヒラめいて、それを書こうとガッツポーズを決めていたんだが、あまりにくだらないんでやめた。
11月21日(土)
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