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Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review @ Tokyo
by Niseko-Rossy Pi-Pikoe
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■おいらの偏狭な現代ジャズ・ヴィジョン
トリオ2000+2のメンバーをおさらいしておくと、クリス・ポッター、ラリー・グレナディア、ポール・モチアン、が、トリオ。「+2」の部分、つまりゲスト待遇は、Vol.Iが菊地雅章とグレッグ・オズビー、Vol.IIが菊地雅章とグレッグ・オズビーとマット・マネリ(!)である。そうか!マット・マネリがとうとうモチアンの耳にかなう展開となったか!思えば、95年のECMスティーブレイク制作ジャズ盤『三人歩きThree Men Walking』、ジョー・マネリ、ジョー・モリス、マット・マネリ、を、いち早くおれは彼らの価値を認め、98年にはユニバーサルのECM担当者に面会に行き「ジョー・マネリとルイ・スクラヴィスを国内盤にして出す責務がある」と談判しに行ったくらいにして、スティーブ・レイクはLonely Night-time Rolly Driver(おれはそう自称した)に過ぎない極東のECMファンにいろいろメールで教えてくれたものだ・・・。

そうそう、最近はベースばかり弾いているけどギタリストとしてのジョー・モリスへの注目もあった。当然、デヴィッドSウエア、マシュー・シップ、ウイリアム・パーカーのNY沸点カルテットを軸とした90年代ジャズの耳の視野もあった。21世紀に入ってウエアとシップは失速した。ロブ・ブラウンのピュアなアルト、サビア・マティーン、ギレルモEブラウン、といった猛者もいた。景気悪化のNYで彼らはどんな年末を過ごしていることだろう。

昨年Jazz Tokyoの多くのコントリビューターが掲げたマイケル・ブレッカーの遺作。ハンコック、メルドー、メセニー、パティトゥッチ、デジョネットとの生前友人葬。どこがいいんだ?闘病する父親に子どもがつぶやいた言葉を曲にしたTrack 5の5分45秒からのブレッカーの演奏には、同じ父親として感ずるところがあった、にしても。詳細に5回も聴いたが、とてもジャズとして寂しい思いしかしなかった。ゼニはひとをおとすものだとつくづく思う。生前ブレッカーは発言していた。注目しているサックス奏者はクリス・ポッターとマーク・ターナーだと。おれはさすがだと思ったよ、ブレッカーは誰に現代ジャズ・サックスのバトンが渡っているのか自覚していた。

クリス・ポッターでベストだとおれが思うのは、トリオ2000+2がヴィレッジ・ヴァンガード・ライブの前に出した、『Paul Motian Trio 2000+One On Broadway Vol.4 : Or The Paradox of Continuity』 Winter & Winter (2006)での演奏。クリス・ポッターの若いのに大胆不敵で涼しげで自由闊達でゆるゆるな振る舞い、だ。おじさんたちはたじたじなんだよ。この盤、グレナディアの奥さんレベッカ・マーティンのヴォーカルがスタンダードを歌うトラックもあって、じつに聴きやすくもある。ここでのプー(菊地雅章)、もちろんプーはいつだって最高なんだが、凄まじい沈み込みを見せている。おれは後悔してんだ。2006年のベストにこの盤を掲げそこねた、ってね。

ポール・モチアン。今年はヴィレッジ・ヴァンガードでポール・モチアン・オクテット(!)というスケジュールがあった。
Paul Motian Octet
Tony Malaby-sax, Chris Cheek-sax, Steve Cardenas-gtr, Ben Monder-gtr, Matt Manieri-gtr, Jerome Harris-b, Ben Street-b
オクテット。ギター3台だぞ。2サックス。2ベース!。エレクトリックビバップバンドの編成にベースとギターがさらに1台加わっている。モチアンいわく「今度のOctetはちょっといけてるぜ。」だと。77さいのじじいが言うセリフかよ。たまんねーなー。

モチアンは来年の3月25日で78さいになるんだぞ。いいのか?ジャズ・ジャーナリズムはモチアンの言葉をたくさん残しておかなくても。

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12月25日(木)
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