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Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review @ Tokyo
by Niseko-Rossy Pi-Pikoe
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アイラーをして、天才だという。天才だとしか言えないのか。ウタゴコロである。オモテに出てこれないウタゴコロを内側に秘めるテクネー、生まれ持った技法が彼のヴォイシングであり、それはコードや学理という外側からの分析定規からはこぼれ落ちる。ズレが生じる。瞬間的な運動体としての図形・ヴィジュアルな美、としか言いようがない現象に対して。放っている音自体そのもの、と、弾く者が知覚の内側で動かしている瞬時に釣り合わせている論理のようなもの(落ち着きどころ、黄金比、楕円における焦点、放物線の頂点、微細により決定する踏み越えのトリガー)。ポッターのサックスの運び。菊地雅章のピアノ。それはスイング感というものにもあてはまる。ポール・モチアンがコントロールしているスイング感。内側で成り立つスイング感。時間の伸び縮み。・・・というふうに言わんとするところは言い得ない。コトバもまたオモテの分析定規か。ではない、おれの未熟だ。
後者、トリオ2000+2、ヴィレッジ・ヴァンガードVol,1。
モチアン、グレナディア、ポッターの3人に、グレッグ・オズビー(アルト)、菊地雅章(ピアノ)。クインテットとは名乗らない5人のライブ演奏。最初に書かせてくれ、1曲目、の、モチアンの叩き、は、ポール・ニルセン・ラブだぜ!こ、これが76さいのジイさんの演奏か?
Winter & Winterレーベルの創立者ステファン・ウインター自身ががライナーを「ヴィレッジ・ヴァンガードでのポール・モチアンTrio2000+Twoによる忘れられない一週間のライブの模様を記録している。」「ウインター&ウインターはこの一週間にアルバム三枚分を録音した。」と誇らしげに記述している。ステファン・ウインターは、言うまでもなく85年にJMT(Jazz Music Today)レーベルを立ち上げ、スティーブ・コールマン、ティム・バーン、グレッグ・オズビー、カサンドラ・ウイルソン、ジャン・ポール・ブレリーらのM−BASE一派をシーンに問い、テザート・ムーン、マーク・ジョンソン、ユリ・ケイン、ジャンゴ・ベイツを手がけた、「おそらく後の歴史家は、20世紀の音楽としてジャズについて多くのページを割き、パーカーやマイルス、コルトレーンの名とともに、三人のドイツ人プロデューサーの名前を並べることだろう。アルフレッド・ライオン(ブルーノート)、マンフレット・アイヒャー(ECM)、ステファン・ウインター(JMT〜Winter & Winter)である。」という存在。
ポッター、オズビーとサックスがツインだぜ。ライブの鬼、菊地が取り乱してしまって焦ってさえいて、トラックと時間表記する?、オズビーと菊地があくまで客演扱いされてはじめて互角の創造力学関係が築かれているモチアンの狙い、繰り返す、モチアン自身の目の据わった叩き。どうするよ。
おれはもう今日は書き疲れた。
なぜ日本のジャーナリズムでポール・モチアン・トリオ2000が等閑視されているのか、と、闘病中の師匠にこぼすと、なに、背景には、Winter & Winterレーベルを日本でディストリビュートしている会社がユニバーサルでもEMIでもないことがある、ボンバだろ、ボンバの社長は雑誌媒体はアテにしていない、店頭のジャズ・ファン、耳で探すジャズ・マニアに手が届くようにしているだけ、と、それこそがジャズ的であるだろうに、と、言われる。
ちょっと。ベースのグレナディアについて書いてないな。『パット・メセニー=ブラッド・メルドー/クァルテット』
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01月23日(水)
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