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羽積風narration
by 汐 楓菜
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■しあわせの中をたゆたう
年に一度か二度会う飲み仲間と飲んできました。

ただ十年以上も前に同じ職場に居たことがあるというだけで、
すごく熱い友情が間にあるわけでもなく
同じ試練を乗り越えた経験や秘密を共有してるわけでもなく。

私という人間も、一緒に飲んだからといって特に
楽しい話ができるわけでもなく
人を上手に持ち上げて気分良くさせるわけでもなく
全くもって可愛いわけでもなく。

それでも声をかけてくださるので、
不思議だな〜…と思いながら、私は喜んで行く。

そして深い話をすることもなく、
ただ笑いながら軽く飲んで、カラオケに行く。

あまり好きじゃなかった曲も、彼らが歌うと好きな曲になる。

いつも、うれしい気持ちになってちょっと泣きそうになる。
いつも、これが最後かもしれないなんてちょっと覚悟する。

今年に入ってからずっと気分が塞いでいたけど、少しだけ浮上した。

だけど私は、泣きそうなほどうれしい気持ちも
また忘れちゃって、すぐに腐ってしまうんだろう。

もう本当に、吐きそうなくらい自分は駄目な人間だ。
厄年って、病気や怪我じゃなくて精神的に来ることもあるのかな。

今年は大事な物をなにもかも手離してしまいそうで。
もうすでにいくつか失っているのだけれど。

本当は今日も会うのが怖かったんだ。
今日会ったら、本当にこれが最後になってしまいそうで。
嫌われるか、嫌いになるか、決定的な何かが起こりそうで。

何も、なかったのだけど。
ただ、幸せだったのだけど。
08月21日(金)
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