ID:73399
羽積風narration
by 汐 楓菜
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■えらく固く決意されていた
夢見が悪かった。

これまでとこれからの人生の
考えうる全てのメリットとデメリットを
引っ張り出して天秤にかけて
悩んで悩んで考え抜いて答えを出して

自殺していた。

白い小さな毒薬を持っていて
致死量が何錠かも知っていて

まず致死量を飲んで
またそれに少し足して飲んで

苦しんで、もがいて、もがいて

「今ならまだ戻れる!今ならまだ間に合うぞ!」
と、誰かにそばで叫ばれて

それでも

「いや、今ぜったい死ぬんだ!
 やっと決心してやっとここまで来たんだから
 このまま死にきるんだ!」

というようなことを
苦しい自分の喉を掴んでかきむしって
かすれ声で叫びながら

反対の手でさらに数錠の毒薬を鷲掴みにして
喉へ押し込んでいた。

肉体的な恐怖と
自分の存在がこれで本当になくなるという恐怖。

最初の冷静に考えるところから死ぬまでが
あまりにもリアルで鮮明で

朝起きると、
一回死んで生まれ変わった気分だった。

現実の私が敢えて避けてやらないでいることを
夢の中の私が勝手にやりやがって

結論まで出してしまいやがって…

と、思うと
一日やりきれないやるせない気分だった。

夢の中の私は勇気と行動力があって羨ましいと思った。
02月18日(水)
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