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羽積風narration
by 汐 楓菜
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■アンダンテ
「もっと委ねてよ」
「もっと信じてよ」
「冷たすぎるよ」
「突き放さないでよ」

そんなことを言われ続けてきた私は
今回、初めてのパターンの
過ちをおかしてしまった。

甘え過ぎて、失敗。
思いのままに求めすぎて、失敗。

もっと割り切っていこう。
心の距離もたくさん取っていこう。

遠すぎず近すぎず、
ちょうど良い距離で居てほしい。
そんなことを求めるなんて、
それこそ甘ったれてる。

上手い具合になんてできっこない。
自分一人のことじゃないなら。

適度な距離を保てていると
思っていても、きっとそれは
どちらかが何かを押さえているだけ。
何かを割り切っているだけ。

そんなことにも気付かないような
神経の図太さなら、私は、もう要らない。

バランス取れたイイ関係だと思っていた
あの時のあの人は
「遠すぎる」と泣いて、去っていった。

その人を傷付けていたことより何より、
ずっと感じていた二人のシアワセが
私の独りよがりだったことに、ショックを受けた。

ゆっくりゆっくり手探りでいくしかない。
何も呼応しなくても。

誰もが自然に折り合いを付けて
上手くやっているというのなら、
私は人一倍不器用なんだろう。
誰にでもできることが、できないくらいに。

ヤイコは「アンダンテ」の中で
「普通でいいから」と歌う。

あなたの普通と私の普通が同じなら、
きっとそれでいいんだろう。

歩く速度は、みんな違う。
歩く速度は、それぞれに違う。

同じ速度で歩く時は
誰かが誰かに合わせてる。

合わせることを幸せだと思う間は
愛しているのかもしれない。

それを我慢だと感じるようになったら
その時は、もう、駄目なのかもしれない。
07月15日(月)
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