ID:73064
かなしいうわさ
by 石井
[559326hit]
■人生と商いは止まらない列車
■SR サイタマノラッパー (ネタバレあり)
下高井戸シネマで「SR サイタマノラッパー」を観た。
努力も成長もできないが虚栄心と焦りだけは人一倍ある主人公が全速力でカラカラ空回る。
会場はかなり笑いが起きていたけど、俺は切なくていたたまれなかったよ。
主人公のイックは、すべての物事に正面から向き合えないニートな若者。
何かやらなきゃ。何かやらなきゃ。何かやらなきゃ!
その焦りばかりが全力で空回りする。
(実際、その場をぐるぐるウロウロと動き回る描写が何度も出てくる)
みひろが演じるヒロインの千夏の存在で、イックの空回りっぷりは速度を増す。
高校中退でAV女優デビューしてから3年位で皆が知ってる程の売れっ子になるほどだから、
相当身も心も削っていたのだろう。いろいろあったのだろう。
そんな娘が都落ちして、地元のスーパーで働いている。
千夏にとって、以前仲良しだったイックはひとつのよすがだったはずだ。
だからクソミソに貶しながらも、だらしないイックについていく。
中盤で、千夏はイックに求人情報誌を放って「働け。」と言う。
労働の厳しさが分かっている千夏のその言葉はとても重たい。
でもニートのイックにはそれは全く伝わらない。
金を稼ぐこと、メイクマネー、その重さ。しんどさ。世知辛さ。切なさ。大切さ。クソッたれさ。理不尽さ。
それらのことが、全部わからない。
その末、映画は自分も友人も職についた場面でやっとダダこねるシーンで終わる。
最低最悪の結末。
お前より、お前のダダを呆れて見ている、毎日泥にまみれて働いているドカチンの兄ちゃん達のほうがよっぽどヒップホップだよ。
まぁ、そう、こんなもんだよね、若者や夢を猛追している奴らなんてみんな糞馬鹿だよ。
リアル過ぎる。痛すぎる。
でも、最後のみっともないダダは、鈍く光り輝いてもいる。
貶しているように読めるかもしれないけど、映画としてはとても好きだ。
若者たちがそもそも持っている「痛さ」を、綺麗に映画っぽくまとめずバッと放りっぱなしにしている正直さがとてもいい。
痛くない青春映画なんてクソだ。
この映画、落とし前は全くついてないので、最後のダダのその先を作成中の2作目で描いてくれることを期待します!
■お勧めツイッター勝手紹介
ASA-CHANG&巡礼のU-zhaanさん
http://twitter.com/u_zhaan
インドでタブラ修行されているようです。
昨日のサウンドチェック、ハウリングがすごかったのだが、
インド人PAに「これは客がいっぱい入れば取れるタイプのやつだ」と言われたので信じて放置したら、客がいっぱいにならなかった。
2:19 PM Feb 20th webで
街で使えるベンガル語:「マシ、アミ バナッチ シェイ キチュリケ、 アマケ ナーボレ モシャラ デベンナ
(おばさん、私が作ってるおかゆに勝手にカレー粉を入れないでください)」
11:14 PM Feb 18th webで
ゴア出身のおっさんが「俺は過去も未来も考えない。今日と明日だけを生きて行くんだ。
10年先を考えてくよくよする時間が何になる?今を楽しむべきだ」と力説してて、ちょっといいことを言うなあ、と思っていた。
こないだ家に遊びに行ったら、必死に年金の計算をしていた。
2:42 PM Feb 20th webで
カルカッタに着いた時、いつもの下宿先のおばさんに「よく来た! もうお前は私にとって息子も同然だ」と大歓迎された。
しばらくしたら「お前のメシ作るのやっぱめんどくさいから毎食出前取ってくれないか」と言われた。
2:52 PM Feb 13th webで
成田空港で、タブラソロライブしたことがある。取調べ部屋みたいなとこで荷物にX線かけられて、
あげくに「楽器にしては重すぎますよね。ほんとに楽器ですか?演奏してもらえます?」
へたくそだったら逮捕されそうな気がして死ぬ気で演奏した。 RT @A___ko で、成田空港でライブしよう。
2:38 PM Feb 13th webで
[5]続きを読む
02月21日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る