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かなしいうわさ
by 石井
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■休符
本日すこし縦長。マウスでクリクリとスクロールよろしく。
■10/12(日) 「ENSEMBLES 09 休符だらけの音楽装置」展 初日ライブ @旧練成中学校
秋葉原の廃校した中学にて開催。
近所だし暇なので、チャリンコでホテホテ行ってきました。
正直それほど期待してなかったのですが
これがもう.....メチャクチャ面白かった!!!
オープニングライブ、というから大友良英がリードするジャズ・ライブかな?と思っていたのだけどさにあらず
まだ音は鳴っていないが何だこれは
なんなんダー
しばらくすると、大友さんのミニマルなギターシーケンス演奏。良い。あああ好い!
しかしライブらしい演奏はここだけ。
主催者たちがぼちぼち出てきて、そこらに配置してある音楽装置をささっと弄り出す。
四方八方からピー、プシュシュシュシュ、ポワポワ、シャシャーン、ペローン、スコスコ、コアーン、ショショショー、カチカチ、スコプー................
と音が鳴り出す。
耳障りにならない、やっと聴こえるか聴こえないか、くらいの音。
風の音や遠くの雑踏と同じくらいの音。
ふーん。ほう。ほほー。うわー。ヒー。
足湯しながら甘いハーシュノイズ
風が吹くとギターがシャーン
髪の毛がシャンシャンとシンバルを叩く。皆爆笑。
シャバシャバ
作品のひとつです(シャンシャンと手を叩く猿がボードに)
定期的にシュポ!シュポポポ! 子供が真顔で驚いたのち狂喜
ペーポコポコ、ジョワーン
区役所が鳴らす夕焼けこやけの時報チャイムが、作品の音と絡む。うわわ、せつない。ぼくのなつやすみ...
時を忘れてうっとりふらふらしているうちに3時間経過してた。
いつのまにか真っ暗に
暗闇の中、蛍光灯を使ってピューピュルピピュピューと、はかなげで甘いノイズを奏でる
心音が下の階からドン、ドン...と響いてくるのを耳を当てて鑑賞するみなさん
心の琴線をやわらかく撫でるような、心地の良い音。とても気持ちいい。
夕暮れ時の秋の廃校屋上という最高のシチュエーションも相まって、心がシーンと安らぐ。
これは音の温泉だ。
音による湯治だ。
「今日はここに寝袋持って泊まりたい...会期中ずっとここに住みたい...」と本気で思ってしまったけど、
風邪っぴきだったので3時間ほどで退散。
大友良英による以下のかっこいい口上は、帰り道に寄ったドトールのソファーにてiPhoneで読んだ。
大納得。腑に落ちまくり。
http://www.japanimprov.com/yotomo/yotomoj/ensembles09.html
〜
今回はそこにもうひとつキーワードとして「休符」という言葉を持ち出しました。
現実社会と折り合いをつけねばならない大人の知恵としての休符。息を止めてかくれんぼをするような子供の感覚としての休符。
だれも殺すことの出来ない無力な武器としての休符。誰でも入り込んだり逃げたりすることの出来る居場所を提供してくれる休符。
豊かな響きを用意するための、あるいはやかましい現実を静寂に変えることの出来る休符。
そして、なによりも「ちょっとまってよ」と言うことの出来る隙を与えてくれる休符。
音楽の中に潜む「休符」の豊かな発想がENSEMBLESの発想とともに、2チャンネルのヘッドフォンで聴かれるだけになってしまった
今現在の音楽のありかたの枠を大きくとびだして、ノイズだらけの現実の空間に響くことを願って。
〜
http://d.hatena.ne.jp/otomojamjam/20091012
〜
音楽とは本来普段そこにある音とは異なる音で空間を埋め尽くして祝祭空間をつくるものです。
それによって人々は日常とは異なるハレの時間を楽しむわけです。
でも、今回こことでわたしがやりたかったのは、そうしたハレの時間や空間をつくることではありません。
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10月19日(月)
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