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かなしいうわさ
by 石井
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■522
そしてもうひとつの理由は、シェインという男のろくでもない格好良さに改めて気がついたこと。冒頭でシェーンのお父さんが「あいつは頭がいい奴だった。今だっていいさ。脳細胞は大分減ってしまったけどね...」と語るとおり、シェーンは、アルコールと薬物の中毒で廃人寸前だ。犬小屋に敷いてある布っ切れのようにボロボロ。だけど、下品に笑い、時折よだれをたらしそうになりながらスロウに話すシェーンは、なんだかどうにも、とても素敵だ。話の内容はまったく破綻がなくとても冷静で整然としている。そして人にはどこまでもやさしい。妻と一緒にゆったりとダンスを踊り、ファンのおばちゃんのTシャツにニコニコとサインをして、どこまでも故郷を愛し、道端のホームレスに無言で金を握らせる。(その直後にシェーンが自転車を盗もうとするのには大笑いしたけど) とにかく紳士なんだ。音楽そのものと、それを奏でる人の人格は切り離して語るべきだと考えているので、自分がファンのアーティストの実態がどんな奴だろうと、それは別にどうでもいいと思っていた。でも、俺はシェーンとは友達になりたいなぁ。もちろんこういうドキュメンタリーで彼のすべてが語られているわけはない。けれど、それを差し引いてもこんなに気のいいやつはそう居ないよ。
去年のフジロックで観なかった事を今更ながら激しく後悔している。次の機会には、必ず逢いに行こう。
ポーグ・マホーン!
03月19日(日)
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