ID:72652
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by k
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■
在宅勤務の日
仕事しやすい環境が整っているわけではなく
自前のPCでポチポチやってるだけなので
正直、やる気はわかない。
やらなくてはいけない最低限はこなしているけれど。
定時で仕事を終え、明日休みなので映画館へ出かけた。
「ミッドナイトスワン」
https://midnightswan-movie.com/
予告チラ見しただけでもう見るって決めてた。
そこからはあんまり前情報を知りすぎないようにして。
感想というかだだーっと書きたいけど
今から見るなら絶対ネタバレは見ない方がいいと思うから
とりあえずネタバレなしで書き始める。
ネタバレっていうのは、ひみつのどんでん返しが!
とかではなくて、ちゃんと自分の気持ちで知っていってほしい
という気持ち。
バレエがキーとなる作品で、バレエシーンは本当にきれい。
主人公、凪沙と暮らすことになる少女、一果は
育児放棄をされて気力を失っていたけれど
おそらく幼少期に生活苦を理由に辞めていたバレエを
もう一度踊ることで、気力を取り戻していく
そのみずみずしさがたまらなく眩しかった。
ショーパブで踊る凪沙も、孤独でままならない暮らしの中で
一果のバレエが希望になっていったんだと思う。
感情を説明的にする描写が少ないし
特に一果はセリフが少ないから、シーンによって唐突に感じて
お?どうなったんだ、と思うこともあったけど
シーンの積み重ねによってじわじわ心が動く。
凪沙には恋人がいる様子もないし
性転換手術をするためにお金をためながら
ホルモン注射を打って、その注射のせいだろうけど情緒も不安定
親にもカミングアウトしてないし、
手術するのも、本当にしたいのか、迷ってるのか
身体も女性になりたいからといって、
なにもかもすっぱりと決断できるわけではないだろうし
そういう揺らぎの中で細々と新宿で生きてるのがリアルで。
でも、一果と出会って、変わりたくなったんだよねきっと
今までの人生でしがみついてきたものさえ捨てて
一果の夢を叶えたくなったり、母になりたいとさえ思った。
子どものために、とか、あなたのためを思って
という言葉は時として呪いの言葉で
でも、足掻きながら飛べないままいる大人になると
一果のような美しい白鳥になれる輝きをもった子供には
つい、託してしまいたくなるのもわかる。
「頼んでない」と、重荷になることもわかっているのに。
一果にとっては、母親も、凪沙も、友達のりんちゃんからも
託されたものがあった。
重荷だったかもしれないのに、気高く舞った姿に心打たれた。
ほんとにね、彼女たちはみんなステキで
一果やその母親や、りんちゃん主役でも映画が撮れる
ってくらいみんな際立ってて魅力的な人物だった。
りんちゃん、もっと見たかった。
凪沙のショーパブ仲間のミズキもよかった
彼女でも映画撮れるな。
凪沙を演じた草Kくんは、言わずもがなですよ
新宿のショーパブで働く擦れた女感がすごい
歩き方や仕草は女性っぽいんだけど
メイクや服装が独特で時代遅れっぽいとことか。
年齢も感じさせるところが生々しくて。
変化していく凪沙の心情の濃淡というか
覚悟の決まり方みたいなものから、やつれていくところまで
すごく引き込まれてしまった。
※ここからちょっとラストの話
終盤はもう切なくて、痛々しくて、
見ていられないほどの描写もあったんだけど
凪沙はあの選択を、後悔してないような気がした。
他人から見れば正しいとは思えない結果だったとしても
凪沙本人は、納得してたんじゃないかなあって。
一果がそう思わせてくれたんじゃないかなって。
描写もさることながら、報われた思いと
こんな苦しい思いしなくてもいいのに、っていう思いと
どうして人はこんなにもないものねだりなんだろう、
苦しくて。
こんなにも女に産まれたかったと苦しみながら生きる人がいて
私自身は、女の身体なんて、生理とかいらないし、
なんて思いながら生きてるのに。
家族ってなんだろね
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10月05日(月)
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