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by k
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■桜の花びら雫の上でもどかしく揺れる。
朝の寒さは棘が取れたような心地
でも夕方になったら風が猛烈に吹いていて
いま買った花がみるみるしおれるぐらいの勢い。
飛ばされるかと思った。

花を抱えて向かった中野サンプラザ。
見慣れた場所なのに、まさかこんな形で。
フジファブリック志村さんのお別れ会。
行くかどうか、この会の詳細が出た時からずっと悩んでた。
時間も場所もなんの問題もない設定
迷った理由はただヒトツ
私がフジファブリックのファンじゃないからだ。

CDも持ってないし、ライブ見たのは2・3回。
巡りあうようですれ違ってるバンドって感じがしてた。
って髭ちゃんとの対バンのときにも思ったこと。
名前で親近感をおぼえてたのはある。
私もネットの上では、ふじと名乗っていて
それは同じく富士に郷愁を感じる者同士。
だからかわからないけど、訃報を聞いたときショックが大きかった。
どうしてこんなに落胆してしまうのか
この胸騒ぎが止まらないのはどうしてなのか。
答えなんか出る訳ないけど
結局「行かない」というのは選べなかった。

今日の志村さんは富士山の上に立っていた。
富士山とギターが形作られた祭壇を見た瞬間足が震えた。
すごいところに来ちゃったんじゃないかって。
控えめな音量で曲が流れてた
ライブでは絶対のキラーチューンにも笑顔も歓声もない。
泣いている人、こらえている人、学生さん、スーツの人
一輪の花、大きな花束
どこかで会ったことがあるかもしれない人たち。
ホールの席の間を縫うように歩き、祭壇へ近付いていく。

ステージ目の前にくると、曲もよく聴こえるし
お花の多さにも本当に圧倒された。
ご家族の方々もいらっしゃり、参列者に礼をしていた。
ちょうどセレナーデという曲が流れていて
 そろそろ行かなきゃな
ってフレーズには胸が詰まった。
メッセージカードをギターケースに入れ花を手向ける。
ここで、彼に何か言えるのか来る前は不安だった。

手を合わせた瞬間に思ったことは
この場にいるファンの人、ご家族、スタッフ方々のことだった。
 そろそろ行かなきゃな
そんなはずがないこの早すぎる突然の別れに
こうしてお別れを言える場を設けてくれた人たち
祈りや感謝を伝えに訪れた人も、来たくても来られなかった人も
すべての思いがこの花の富士山の麓に集まってきてた。
どうかこのたくさんの人たちをずっと見守って
空の上でも歌い続けてください。と、そう願った。

志村會と刻まれたチケットとポストカードを頂いた。
会場を出ると、広場を埋め尽くし歩道にまで伸びる列。
すごい。ほんとにすごいよ。

帰り、寄り道したり自転車に空気入れたり。
家に着いたらすっかりお腹が空いていた。
私は生きているんだなあ。
お腹が空くのも、すれ違いにフジファブリックの歌が聴こえるのも
当たり前のはずだったのに。人間だもの。か。

日々の当たり前に感謝を。後悔も少なくてすむように。
やれることくらい、せめて精一杯にやらなきゃならない。

今日はいろいろな思いをありがとう。
明日も何食わぬ顔で過ごすけど
いつかどこかでまたすれ違えたらいいなあ。
01月21日(木)
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