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えすぱっ子
by ひかる。
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■プリンス東海 展望
清水エスパルスユース
静岡県代表(前回優勝)[静岡県] 監督・築館範男
昨年度・初代プリンスリーグ東海王者。この優勝を始めに、クラブ選手権4強・高円宮杯8強・Jユースカップ4強と、昨年のクラブ勢で、広島ユースに次ぐ安定した成績を収めることができた。最後の試合となった市原戦の先発が、3年生5人・2年生2人・1年生4人と、下級生が半数以上を占めており、今年も継続して活躍を期待したいところだが、そう甘くはない。その市原戦の先発が示す通り、最上級生となった昨年2年生の選手層が薄いのだ。
一方で、今大会のライバルとなるジュビロ磐田・名古屋グランパスエイト・藤枝東高などは、充実した世代が最終学年を迎える。四日市中央工業高も、全国でもトップクラスの2年生を組み込みながら、優勝争いに加わるだろう。高円宮杯出場枠の争いはこれらに、どんな年でも必ず戦えるレベルまで仕上げてくる静岡学園高と、守備の良い浜名高が絡む形か。高円宮杯の参加チームが24に増えたことで、東海の出場枠も3に拡大されたが、挑戦者の気持ちで勝負してもらいたい。
強豪チームとの対戦が後半戦に回ったのは、清水にとって僥倖だ。今年は昨年以上に若いチームであり、組織としても固まっていないため、前半戦での対戦は避けたかったからである。Jrユースから大量13人が昇格した1年生は、杉山浩太世代以来の黄金世代。しかも、菊地や吉川のように外に流れることもなかった。彼らは受験疲れ・試合勘の遅れ・連携面の未熟、そういった要素に苦しめられながら、早くも結果を出しつつあり、激しいポジション争いが始まりそうな気配が漂う。その競争の中で定位置を掴みつつあるのが、FW篠田悠 (2) とDF村越 (3) 。篠田悠は、ここまでの練習試合で、17.2分に1本のシュート、51.6分に1ゴール、シュート得点率33.3%、枠内率58.3%と凄まじい数字を並べており、爆発の予感が漂う。村越はプレー以上に、声を出せるDFリーダーとして欠かせない存在だ。
だが、チームはこの男が戻らない限り、完成の日を見ない。主将・枝村匠馬 (3)。中盤の底で溜めを作り、サイドに展開し、自ら強引に突破を仕掛け、ゴールを決める。組織の歯車を回転させる動力部でありながら、組織から外れて単独で試合を決めることもできる能力は、チームで彼だけのものだ。日刊スポーツ静岡版の記事によると、リーグ開幕に間に合わせるべく調整中のようだが、底知れぬ潜在能力を持つ枝村が責任感を持ち、常に全力でプレーできるようになれば、連覇も難しいことではない。一方、昨年から枝村と中盤の2枚看板として活躍し、今年はチーム全体の2枚看板にと期待される山本真 (2)。漸く怪我から復帰したと思ったら、すぐさま1世代上のU-19代表候補合宿に呼ばれ、無理が祟ったか怪我を再発。偉大なる労働者である彼の不在は、チームを不安定にするかもしれない。
下級生が多く、2枚看板は不完全な状態。昨年秋から新チームへの移行を進めてきた他のクラブ勢とも、既に真剣勝負の新人戦を戦ってきた高校勢と比べても、チームの組織力はかなり未熟。3位以内に向け、浜名戦から東邦戦までの前半4試合で、最低でも勝点6、できれば8を奪いたい。後半戦に強豪との対戦を残すとはいえ、その頃にはライバルに負けない戦力を整えることも、さほど難しくはないだろう。ちなみに優勝した昨年は、初めの4試合を勝点7で折り返した後、残り5試合5連勝でフィニッシュしている。
■選手名簿
別記参照方。
■基本フォーメーション(名前の横は学年)
−−−−−−−−−−篠田悠輔2−−− 長沢駿1 −−−−−−−−−−
(町田朋弥1)
− 岡村総一郎3 −−−−−−−−−−−−−−−−−−小泉慶治1−−
(鈴木真司3) (高野一也2)
−−−−−−−−−−山本真希2−−−枝村匠馬3−−−−−−−−−−
(谷野由紘2) (上埜健太3)
−−桑原卓哉1−−−村越大三3−−− 岩本大1 −−−高野美臣2−−
(石垣勝矢2)
−−−−−−−−−−−−−−前田陽平2−−−−−−−−−−−−−−
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04月10日(土)
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