ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
[1244601hit]
■Jユース杯 展望 予選リーグ
清水エスパルスユース
クラブユース優勝・高円宮杯出場[静岡県] 監督・築舘範男
まずはじめに、予選D組は大宮・柏・ヴェルディ・清水・磐田で構成されている。9月21日現在の途中経過は、
大宮 0−5 ヴェルディ、柏 2−2 大宮 である。
間違いなく最激戦区。
一段実力が落ちると見られる大宮も、クラブユース選手権関東予選では、鹿島を蹴落とし全国大会出場を果たしており、油断などとんでもない相手である。その大宮も含め、全クラブが決勝トーナメントに進む12強に相応しい実力の持ち主。
対抗最右翼は、ヴェルディユース(クラブユース5位・高円宮杯8強)。恐らくテクニックの総和を単純に比較したら、清水より上だろう。また、2年生(と早生まれの浩太・仁科)・1年生にとっては、ナイキカップ決勝で煮え湯を飲まされ、世界への道を閉ざされた因縁の相手でもある。
復帰した根占が渋く確実な仕事をこなし、小野が独特のセンスを発揮するダブルボランチは、Jクラブ全体でも屈指の存在。行徳前監督が「この年代トップクラス」と呼ぶ浩太・枝村との対決は、予選リーグではもったいないほどである。クラブユースで奇跡の逆転劇の原動力となった中島ファランは、FW・トップ下・右翼で起用されるが、突破力とミドル砲を揃え、どこにいても対応に苦慮するだろう。最終ラインは上背はないものの、読売らしいテクニックのある選手を揃え、GKの菅野も含め、保谷・塗師らはフィードとビルドアップのセンスに長ける。唯一パワー系の右SB一柳は、同じ星の下で生まれてきた阿部と何度も真っ向勝負を繰り返し、そして抑えてきた身体能力の持ち主である。
磐田(クラブユース予選3位)は、伝統的に昇格しない3年生は、夏で引退するクラブ。とはいえ、今年は夏前からタレント集団の1年生を中心としたチームに移行しつつあり、U-16代表もグループリーグ最下位で早期帰国したため、戦力低下の心配もない。ただ、清水が今年3度の対決で苦労したのは、むしろ「無名」の3年生というのも事実。
攻撃のタレントは豊富で、FWにU-16代表2トップ岡本・藤井。共にスキルフルな選手だが、フィジカル強化に力を入れる磐田で、トータルなストライカーに変身しつつある。中盤は右に突破力の沼野、左に多彩なキックを持つ上野、これを磐田に入って以来、すっかりスルーパッサーに変身した元ドリブル小僧、船谷が支える。一方、DFは統率が乱れる場面も少なくなく、引退してなければボランチの渥美がその隙間を埋められるのだが、恐らくGK松井頼みになることだろう。
柏(クラブユース予選3位)も3年生が夏で引退するクラブ。戦力の低下は否めないが、元来システムを忠実に貫くことで戦うチームなだけに、その影響は限定されるだろう。
守備では金森が抜けるようだが、他は従来から1・2年生中心で戦ってきている。高さがあるのは石川ぐらいなものの、相互に高いカバーリング意識が持ち味。堅守速攻を基調とするチームであり、守備を計算できるのは大きいだろう。他方、攻撃面は苦しく、引退せずに残ったテクニシャン大谷と、得点感覚に秀でた菅沼のホットライン頼みの傾向が、強まりそうだ。
大宮(クラブユース予選4位)は、清水と同じフラット3ラインによる4−4−2が特徴だが、清水以上にシステムが徹底され、組織で守り、内→外→内と組織で崩す志向が強い。要所に長身選手を揃えることで、激戦区関東をソリッドに勝ち抜いてきた。だが、この組み合わせでは、個の力なしでは、さすがに苦しい。ボランチ羽田の潰しと、クイックネスに長けたFW永田に期待したいところである。
草刈り場のない5チームでの激戦区に嘆かれる方もいるだろうが、それは違う。この年代の選手に何より不可欠なのは、真剣勝負の場である。4チームの組で楽に勝ち抜きながら、決勝トーナメントで苦杯を喫するよりも、例え敗退しても、予選リーグで真剣勝負を8試合戦えた方が、有意義に決まっている。リーグ戦の良さを生かした経験が積まれることを望む。
■選手名簿
こちらを参照のこと。
大会としての選手登録はなく、試合ごとにベンチ入り18名が登録される。GK勝又が引退したそうなので、高円宮杯同様に前田の登録もあることだろう。
[5]続きを読む
09月21日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る