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えすぱっ子
by ひかる。
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■Jユース杯 ヴィッセル神戸戦
 予選から数えて12試合51得点9失点と、見事な優勝でした。MVPは3試合目京都戦で両チーム唯一の得点を決めて以降、F東京戦と今日の決勝を除いた全8試合でゴールした得点王・長沢でしょう。途中からスタメンに固定された町田・八木は、ラッキーボーイ的な活躍でチームに勢いを与えました。一方、夏からのレギュラーメンバー、石垣・佐野克・桑原卓・柴田らが固める守備陣は、大きく崩れることなくチームの基盤を維持しました。

 トップやサテライトでも結果を出している行徳監督ですが、下部組織では98年クラブ選手権 (U-15) 優勝 (高木純の代)、00年高円宮杯 (U-15) 優勝 (山本海の代)、02年クラブ選手権 (U-18) 優勝 (杉山浩の代) に続く、4つ目のタイトルになります。02年のユースは、中盤に杉山浩、大瀧、枝村、山本真と各年代の代表クラスを揃えるドリームチームで、行徳監督が今年のチームを「自分が長年見てきた中で一番ヘタだ」を評するのも分かります。しかし、今年のチームも、杉山浩のチームと確かな共通点がありました。
 それは、監督が常に強調する「ボールをしっかり止めて蹴る」技術。スペースに適当に蹴って味方の走力に頼るいいかげんなサッカーではなく、確実な狙いを持って正確に繋ぐサッカーを求めました。ハマった時の「ファストブレーク」の速さは、02年のチームにも劣りません。ゴール前の決定力も、「ボールをしっかり止めて蹴る」練習を積み重ねた成果でしょう。長沢ら攻撃陣は、決定機に力んでふかしてしまう場面が、対戦相手に比べて少なめでした。一方、守備でも手堅く体を寄せ、粘り強く対応することを要求。中盤を完全に支配し、相手に攻めさせることすら許さなかった02年と違い、今大会はどの試合でも攻め込まれる時間帯がありましたが、DF陣がしぶとく体を張って相手に簡単なプレーを許しませんでした。
 そんな攻守の象徴的な存在が、CH柴田和也。身体的に恵まれず、U-代表を揃えるガンバの華麗な中盤とは比べるべくもない彼が、絶えずポジショニングを修正し、体を入れてボールを奪い、近くの味方に正確に繋ぎ、自らは前に向かって走り出すといった地味な貢献を繰り返し、大勝の原動力となりました。今大会の清水と他のチームを分かつ最大の部分であり、既にユースを卒業した山本真が身につけていた部分であり、同時に今大会控えに回った岩本・池田といった選手が、見習わねばならない部分であります。

 3年生は、ひとまずお疲れ様でした。各選手、今年1年の伸びは目を見張るものがありました。この1年の努力を怠らずにサッカーを続ければ、これからの進路できっと実を結ぶことと思います。そして、下級生はこれから追われる立場になります。Jユースカップは有力選手が引退しているチームも多く、油断しているとあっという間に追いつかれることでしょう。今年の3年生が示した地道なプレーを忘れずに、「三冠」を目指してください。

 




▼試合結果
清水エスパルスユース 4−1 ヴィッセル神戸ユース
 得点:前半15分:清水・町田 朋弥 (小泉 慶治・右クロス)
    前半25分:清水・桑原 彬 (長沢 駿 ・ポストプレー)
    前半29分:清水・石垣 勝矢 (八木 和秀・左CK)
    後半04分:神戸・辻 智人 (上谷 暢宏・スルーパス)
    後半44分:清水・篠田 悠輔 (神田 和哉・ロングフィード)
 警告:前半29分:神戸・林 佳祐
    前半31分:清水・小泉 慶治 ※ラフプレイ
    前半42分:神戸・増田 清一 ※ラフプレイ
    後半17分:清水・町田 朋弥 ※遅延行為
    後半42分:清水・八木 和秀 ※ラフプレイ


▼選手寸評
[私撰MVP]
●桑原 彬 (2年・右SB)
 後半、ドリブルに対してやや脆さを見せたが、だいぶ体を張れるようになり、読みは速く、カバーリングは適切。何より攻撃面で自らドリブルを仕掛けられるようになったのが大きい。小泉と適切な位置を保ち、サイドに中に切れ込んでくる。

[私撰MIP]
●神田 和哉 (2年・CH)

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12月25日(日)
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