ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
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■高円宮杯 東福岡高校戦
27分、篠田が自らスローインを入れると、阿部のポストを経てPA内に切れ込み、左45度で待つ大瀧に「どうぞ」といった感じのパスを差し出すが、またも枠外。この時間まで、シュート数が8対3と圧倒していた清水だが、これを最後に辛い時間が始まる。続いて28分、東福岡・新内が菰田とのワンツーでサイドを抉り、左クロスに村越が食いつくもクリアしきれず、最後、角のボレーは上。すると、この久々の東福岡の攻撃を契機に、足を攣る選手が続出。枝村が担架で外に運ばれたのを皮切りに、大瀧、阿部、篠田が次々と痛み、清水にとっては切ない場面が続く。特に枝村は再入場した後も殆ど動けず(動かず)、大瀧は動いてはいるが信じられないトラップミスをしたりする。実質、9人対11人に近いものがあったが、清水ベンチに動きなし。辛い。
当然、流れは「人数の多い」東福岡に。35分、香川が奪って角にクサビ、叩いて花田が高柳を抜いて裏のスペース40Mを踏破、最後に右から折り返そうとするが、高柳がここで追いつき、右CKに変わる。すると、キッカー菰田の選択はショートコーナー。香川が受けて戻し、再び菰田が右クロスを送ると混戦に。そこから堤が抜け出てシュート、が、至近距離には滅法強いGK海人、それすらもキャッチする超反応を示す。
防戦一方の清水だったが、前日に帝京と決勝トーナメント進出を賭けた試合を行っている東福岡も、余力があるわけではない。スペースが空き始め、徐々に運動量で劣る清水も技術で繋げる場面が出てくる。39分、殆ど立っていただけの枝村からスルーパス。阿部が受けてサイドに流すと、獅子内が右サイドを抜け、送ったクロスを更にファーで大瀧が折り返して、混戦となる。阿部が強引に突っ込んで押し込んだが、DFがブロックし惜しくもCKへ。ここで遂に、遂に清水ベンチが動く。だが、交代は枝村でも大瀧でもなく、篠田(→高野)。確かに篠田も痛んではいたが…。
大瀧の左CKはニアで東福岡・清水が跳ね返し、2本目。41分、今度はGK坂本が掴むと、低弾道フィードが前に残る花田へとピタリ。対応するは真希と高野。途中投入で余力ある花田、だが対応した真希は、巧妙に縦を切って右(東福岡にとって左)に追い込んでいく。しかし花田は、そこで大きくサイドチェンジすると、一人残る高野の前に広大な右スペースがあった。引き出されるように菰田が駆け上がり、スピードの乗って1対1。高野も縦を切ったが、菰田は本来「左」MF、そう、利き足は左である。中に切れ込み、PA内シュートを遮るものはなく、鮮やかにゴールに突き刺さった。1−2。前半のサッカーの道理は、後半も通用した。そして、選手交代は完全に裏目に出た。
だが、清水にも意地がある。43分、真希のクサビを阿部がPA内から戻ってポスト、右の獅子内に戻す。獅子内は粘って横に叩くと、そこで茫と立っていた枝村が一瞬輝き、左にサイドチェンジ。動けなくても、パスは正確。スペースで待っていた真司が受け、中に切れ込みながら上げた左クロスに、ニアで飛び込んだのは真希。この最後の局面で、相手DFと交錯しながらも競り勝ったヘッドは、ループ気味にGK坂本の腕を抜けたが、ライン上で東福岡CB原が奇跡的なバイシクルクリア。だが、それで終わらない。真希と東福岡DFが起き上がれないPA内、興奮と失望と安堵感、それらが綯い交ぜになって刹那、生まれた虚を突いて、クリアボールを拾った森安が得意の右45度ミドル。しかし、立ち上がろうとしていたGK坂本が、反射的な横っ飛びでキャッチし、リードを死守した。
2度の超決定機を失った清水は、ロスタイムにも速攻を許し、右寄りで中央突破する香川が、中に切れ込みながらスルーパスを送る。清水最終ラインは裏をカバーしようにも、肉体的にも精神的にも限界。みすみす葛城に抜け出され、PA内1対1から放ったシュートは、GK海人の逆を突いて右隅に吸い込まれた。1−3。勝負は決した。
その後、枝村のスルーパスを強引に阿部が突っ込んでシュートまで行くが、コースも殆どない状態で飛び出したGKの逆を突くこともできず、枠外。表示されたロスタイム1分は既に過ぎており、これで試合終了。力尽きた。
東福岡 清水エスパルス
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10月05日(日)
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