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えすぱっ子
by ひかる。
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■プリンス東海 愛知高校戦
対する愛知高校は越智監督が38年チームを率いる伝統校で、選手権9回出場 (最高3位)、高校総体8回出場 (最高16強) の実績を誇る。06年にも高校総体に出場しているが、最近更に強化に力を入れたのか、下級生の層が厚い構成になっているようだ。そのため、新1年生が掲載されていない大会プログラムがあまり役に立たない (苦笑)。先発のうち、3年生は主将の田中一人で、2年生5人 (宮坂・吉田・石黒・綿本・伊藤)、1年生と思われるプログラムに載っていない選手が5人。CB両名を含むチームの中心線が1年生 (移籍選手かもしれないけど) がいるわけで、非常に若いチームだと言えそうだ。前節は浜名高に1−2で敗戦している。
相手の実力を測る手探りの5分間が過ぎると、早くも7分に先制。更に13分にCH青木が1本のスルーパスで中央を崩し、FW柴原のシュートがバーの内側に当たったのを皮切りに、フィールド上の全地域で優位に立ち、16分に右サイドからの崩しで2点目、18分に左サイドから中央裏に抜けて3点目、そして25分の柴原の個人技でのゴールで最高潮に至る。柴原、佐野傑、青木あたりは1対1の個人勝負では負け知らずで、28分には前に出た青木が強引に体を入れてボールを奪い、それを拾ったLH佐野傑がドリブルシュート、GKの跳ね返りを至近距離で青木がボレーで詰めたが宇宙開発。続く28分の失点場面はセイフティファーストでタッチにクリアするよりも、マイボールのまま攻め続けたいという油断が招いたものであったが、清水の優位は変わらないように思われた。
だが、油断は徐々にチームを蝕み、少しずつ球離れが遅くなり、強引な突破に失敗する場面が目につくようになる。守備でも前でより前でボールを奪おうとして奪えず、いなされて左右に展開されて後追いになるハメに。35分、柴原の左CKをニアで池上が頭で逸らし、ファーで青木がジャンピングボレーで合わせるがまたも宇宙開発。他にシュートチャンスもなく、前半を折り返す。後半になると、愛知高はRHからCHにポジションを移した田中が試合をつくるようになり、清水のプレスをかわしてサイドへ丁寧に展開。清水も49分にCH深澤慶のスルーパスから柴原がシュートを放つなどしたが、愛知高がボールを持つ時間も長くなり、膠着状態に陥りかけていた。
57分、大榎監督は成田と西澤を投入。スピードというわかりやすい武器を持つ成田は、積極的なフリーランでサイド攻撃という戦術の形を導いていく。早速59分に成田が左サイドから5点目をもたらすと、次いで60分には右から佐野傑が6点目。落ち着いたパス回しができるようになり、再び清水が主導権を握った。63分、エース前田が怪我から復帰の交代投入。早くも64分には佐野傑が右サイドから斜めにDFの裏に流したスルーパスに反応、サイドに斜めに流れながら飛び出し、ダイレクトで放ったシュートがニアポストにブチ当たる。74分、佐野傑がキープから前に当てたボールを前田がダイレクトで右サイドに捌き、RB望月恭のクロスをニアでFW畑が頭で合わせるが、GKキャッチ。普段の前田から比べればシンプルに捌く場面が多く、まだ本調子ではないのかもしれないが、なんだかんだでドリブルで相手のファウルを3つ、誘っている。75分にはその前田の粘りで得た左CKから成田がゴールを決めて、7点目。それからも85分に交代出場の田代、ロスタイムには小澤がトドメを刺し、9−1と圧勝。リーグ首位に立った。
佐野傑は正に攻撃のキーマン。柴原と並んでチームで最もキープ力があり、中盤でボールの預かり所になるだけでなく、自ら突破していくことができる。スピードだけでなくフェイントのキレもあるので、相手が引いた状態でも崩せるのがポイント。だが、伸びのあるボールを蹴れる左足があれば、ゴールから遠い位置からでも攻撃に貢献することができる。この日はそれを警戒した相手に対して、キックフェイントを多用して突破をより容易にしていた。一方、3年生となってアスリート能力も高まり、90分間通して上下運動を繰り返し、攻守に貢献できるようになってきた。90分間フル出場した佐野傑を見たのは、かなり久々な気がする (もしかしたら、初めてかもしれない)。
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04月26日(土)
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