ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
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■JY: クラブ選手権 東海大会 ジュビロ磐田戦+ジュビロ沼津戦
8(7) シュート 6(4) ○遠藤、○成田、◎坂口、×柴原、×柴原、○原
7(1) 右クロス 1(0) ×柴原
4(1) 左クロス 3(0) ×松田、×松田、×成田
0(0) 右側CK 1(1) ○柴原
0(0) 左側CK 1(0) ×柴原
1(−)  犯OS  0(−)
5(1) ファウル 7(0) ・田代、・成田、・田代、・松田、・田代、・石原、・荻

●個人的MVP 石原 崇兆
●個人的MIP 井出 裕也、片井 寛喜

 準決勝で順当に磐田を倒した清水は、今年だけで3度目、さなるカップ・クラブの部も含めれば4度目の沼津との決勝対決へ臨んだ。そして、今年2度のPK戦負けのリベンジを正規の60分間内で達成、エスパルスはここ14年間でクラセン東海10回目の優勝、そして三連覇を成し遂げた (優勝を逃したのは94年の渡辺孝の代以来、98年 [3位・深澤良]、00年 [3位・大瀧]、01年 [3位・赤星/枝村]、04年 [8強・杉山和/滝戸] のみ)。
 清水のシステムは、今年になってから変わらず4-3-3。しかし、今年春に見たものから微調整が行われていた。春の時点では田代がバイタルエリアに君臨して強固な壁となっていたが、この日の田代は「持ち場」がなく、前線にも積極的に絡む。むしろ最前線の遠藤が基準点で、その遠藤を2列目、更に田代ら3列目の選手が次々と追い越し、攻撃に厚みを加えていた。これは柴原・成田といった攻撃のタレントがユースに合流して抜けることが多く、田代の力が攻撃にも必要になったという経緯もあるのだろう。田代の役割変更に伴い、流動性の高まった3列目には、石原・村上といったフィジカルは劣るが賢く、基礎技術の高い選手がスタメンを奪っていた。

 準決勝の磐田戦は開始早々2分、セットプレーからラッキーな形で先制。その後は疲労蓄積のため、岐阜工戦を45分出場に留めた柴原の独壇場。足下から離れないドリブルと一瞬の速さで次々と相手を更に抜き去り、更に「動ける177cm」田代が絡んで7分柴原、8分・12分の田代と3連続ゴールの枠を直撃する。その後も柴原のドリブルは続き、前半だけで1人でシュート6本。守っても殆どボールを支配し、時折自らの集中力の欠如でシュートを許した他は、危なげなかった。後半も開始早々、マークが薄くなった隙に柴原が追加点。だが、37分に遠藤が下がると前線の起点が曖昧になってしまい、ボールを支配し続けられず、41分に1点返されてしまう。しかし、それも50分ほどまで。残り10分を切って磐田の足が止まると、清水の個人技の高さが遺憾なく発揮され、速攻から2点を追加。危なげなく決勝に駒を進めた。
 続く決勝の沼津戦も電光石火、遠藤を起点に田代・柴原の代表コンビが開始1分でゴールを陥落させる。その後も運動量の多い清水が中盤優位に立つが、個人技主体のスタイルのためか、猛暑で2試合目の疲労のせいか、先制して慎重になったためか、フィニッシュがやや強引で、早撃ち気味。一方、中盤の構成に苦しむ沼津は、ロングボールからのセカンドボールを、CHの増田までが前に出て必死に拾い、なんとか形にしていた。後半になって6分、途中交代の松田の素晴らしいポストプレーから、大きな2点目。が、その後は162cmの松田が前線でキープするには苦しく、彼をサポートする動きも少なく、何よりもなりふり構わず前線の人数を増やした沼津の圧力に押され、守勢に回る。引いた清水はしかし、PA内の攻防によく体を張り、GK井出が確実なキャッチングで攻撃を切って、無失点のまま逃げ切った。

 個人的MVPは、柴原・田代・井出といった「エリート組」と共に、大会優秀選手に選出された石原。162cmと小さく、今までは圧倒的な個人能力を誇る周囲に隠れがちだった石原だが、流動的なシステムに活かされてセンスの良さを発揮。バランスを考えて空いたスペースに動くことで、攻めては味方のパスの選択肢を増やし、守っては危険なスペースを事前に消していた。パスを受けてからの展開力も高い。ただセンスだけではなく、スペースに動き続ける運動量と、パスを受けてから足下でキープできるテクニックも忘れてはならない。昨年の荒井のように、チーム戦術の鍵となりそうだ。

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07月16日(月)
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