ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
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■プリンス東海 四日市中央工業高校戦
 あまり使いたくない言葉なのだが、枝村は別格だ。今までのユースは、真希「だけ」が目立っていたが、枝村・真希と更に悠輔が絡むテンポの速さは、互いに分かり合える者「たち」の競演である。また往事の半分程度の運動量ながら、枝村は相手の呼吸・体重移動を微妙に外す柔らかなタッチでプレスをいなす。中盤の底で奪われず、逆にそこからダイアゴナルフィードで左右に散らす攻撃は、それまでのSBとSHが同一サイドで縦に繋ぐ攻撃とは、次元がが異なるもの。真希や池田、或いは谷野が決して質が低いボランチとは思わない。だが、それでもボランチとして、枝村は別格だ。
 まず17分、右に散らしたボールを渥美がアーリークロス、PA手前で悠輔が受けて反転、浮き球の縦パスを長沢が懐の深さを活かして切り返し、右足インサイドでGKの左肩口を狙ったが、GK水谷ディフレクト。19分、枝村→悠輔→真希とスペースに通して左クロスはDFが弾き、枝村の左CK。ファーでDFがクリアするが、こぼれ球を最後は池田がスライディングで奪いながらサイドチェンジする美技。再び枝村が受けると、相手の体重移動の逆を突く独特の切り返しで抜き去って、PA内へと突破。もう一度切り返してニアを狙った強シュートは、GK水谷が防いだ。が、まだ続く。リバウンドを枝村が自ら拾い、フォローした桑卓へ。粘って桑卓がリターン、枝村にはDFが付いていたが、ダイレクトで左クロスを送る。DFのクリアがファーにこぼれ、今度は小泉がフォロー。自慢のクイックネスでマークを振り回し、上げたクロスをニアで真希が右足を合わせたが、ゴール右を狙ったシュートもGK水谷。一人でPA内シュートを3点叩き落とした勘定になる。
 でも、まだ続く。22分、プレスをいなした枝村が桑卓に戻すと、桑卓が枝村が乗り移ったような素晴らしいサイドチェンジ。受けた真希が縦にパス、そして小泉。トップで売り出し中の太田を思わせる脅威の連続切り返しでDFを外し、上げた右クロスにニアで同期のエース、長沢。至近距離からニアのGK肩口を狙ったシュートは、しかし水谷がまたも超反応を示し、CKにディフレクトする。枝村、復帰から4本目のセットプレー。それまで今ひとつ感覚を取り戻せていない様子だったが、これは真希の頭にピタリ。その弾道をGK水谷、今度はバレーのセッターのような格好でシュートを突き上げ、再びCKにディフレクトした。枝村5本目、ファーに合わせたボールを長沢が折り返し、真希が落とすと、悠輔。マクー空間でのギャバンの怪人並みにPA内では能力が3倍になる悠輔、DFに囲まれながら圧倒的なキープ力、しかも自ら振り向いてニアの下隅を狙ったシュートを放った。が、これもGK水谷が反応、一人でゴールエリア前後の至近距離シュートを3点阻んだ勘定になる。

 とはいえ、四中工はGK水谷だけで守っていたわけではない。DF陣は高いフィジカルと、殆どのボールをダイレクトで処理する技術と判断を身につけ、しぶとく抵抗していた。そして、疲労が蓄積してスペースが空いたこの時間帯からは、スピードとテクニックを兼備する坂井らFW陣が奮起する。27分、池田がバックパスをミス。南川?にカットされ右に展開すると速い速い坂井。十分に抉って上げた右クロスを、ほぼ中央から18番が飛び込んでボレーを放つ決定機。が、これはファー左ポスト前でゴールに流し込んだ15番が勇み足。オフサイドに救われる。
 ただ、四中工の衰えぬ前線プレスに手を焼きながらも、その中で好機を作り続けたのは清水の方。34分、枝村のフィードから真希が左サイドをドリブル突破、DFに阻まれて一度サイドに開くと、戻して桑卓が左クロス。これをニアに入り込んだ悠輔が頭で合わせたが、僅かに左。39分、枝村が悠輔との大きなワンツーで左スペースへと抜けると、高速低空クロスにニアで長沢が飛び込む…が、あと一歩が足りず。が、小泉がフォロー。上げたクロスを真希が右足を合わせたが、DFがディフレクト、CKに逃れた。


(その後半39分の左CK、佐野 (中央) が寄せてきた馬場の体を利用しつつヘッドを放つが、GKの前にDFがクリア)


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06月12日(土)
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