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えすぱっ子
by ひかる。
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■旧正月企画 「マルチロールを考える」
 佐野は、中2では左SB、中3ではCBと、2つのポジションで遜色ないパフォーマンスを見せた。3種年代では、サイズと運動能力の両面で圧倒的で、おまけに細かいタッチのドリブル(フェイント)まであるため、攻守の両面で1対1が非常に強力である。サイズと運動能力だけで何とかなってしまう分、ややボール扱いと読みに雑な部分を残す点をユースで改善し、更にマルチな才能を伸ばしていきたい。

MR指数23 鈴木真司 (7期:17歳) FW・左MF
 Jrユース時代からFWと左MFの2つのポジションで試され続けているが、本職はFWだろう。その独特のセンスで周囲を振り回してこその真司であり、周囲に合わせるプレーは(時にそれは不可欠とはいえ)真司らしくない。ただ、実はサボることなく精力的に動き回れるだけの、心身の充実があるため、受け身のポジションでも、それなりのパフォーマンスを見せてくれる。実際に昨年、右MFにボランチ、左SBといった起用も見られたが、最低限の役割は果たしていた。

MR指数24 大瀧義史 (6期:18歳) トップ下・左MF・ボランチ
 クリエイティブなセンスと卓越した左足のテクニックを持つ大瀧は、試合を創るポジションに最適。だが、常に165cmという体格の不足が付いて回り、ユースでは比較的スペースのあるサイドから、高精度クロスマシーンとして活躍することが多かった。流れの中で意図的にトップ下のポジションに動いてきた際には、そのセンスを窺い知ることができるのだが。ユース最後の大会では、右MFを務めたが、右足ダイレクトタッチの精度に苦労したものの、役割自体は変わらなかった。

MR指数24 岩本大 (9期:15歳) CB・リベロ
 佐野がサイズと身体能力なら、岩本はサイズと読み。3種年代でここまで大きくて、かつ機動力に富む選手は貴重であり、2つの全国大会共に大会最小失点チームに輝くなど、確かな実績を残した。さらに判断速度と視野にも優れ、殆どのボールをダイレクトで処理することで、一瞬でのターンオーバーを導く。ボールを処理する時間がとにかく早いので、注意して見ていないと、気づかないが。高円宮で注目を一身に集めた森本を抑え込むなど、1対1にも普通に強い。

MR指数26 村松潤 (3期:21歳) 左SB・ボランチ
 ポジショニングに秀でた村松は、高3の際には左SB・CB・ボランチの3つのポジションを、高いレベルで役割を全うし、正にマルチロールの象徴的存在だったのだが、昨年のトップでは、本職のはずの左SBで課題を露呈してしまった。元来、相手と1対1で対峙しないようなポジショニングが持ち味の選手なので、同情の余地はあるのだが…。SBより1列前の適性を問う声もあるが、単独突破を得意としない村松には、厳しいかと思う。ユース時代にも、左MFの実績は殆どない(左SB村松の前は、和田・純平・深沢・森山・仁科と、人材豊富であった)。

MR指数30 長沢駿 (9期:15歳) FW・ボランチ
 昨年のJrユースは、各ポジションに穴のない人材を揃えながら、2つ以上のポジションを務められる選手が多かったが、長沢はそれを代表する選手。長身なのに、それをあまり活かさず、視野の広い展開を持ち味としており、故に汎用性が大きかった。クライフェルトのような変なFW(誉め言葉)に近づきつつある。とはいえ、3種年代で185cmの身長があれば、どこに置いても、ある程度機能するのも事実であり、県選抜ではCBまで務めている。

【 ユーティリティー 】
MR指数33 平松康平 (1期:23歳) トップ下・FW・右MF・右WB・左MF・FW
 ここからは、正にマルチロールと言える選手が続く。平松は、下部組織でもFWと攻撃的MFを担当していたが、それほど汎用性の高い印象はなかった。マルチロールとして見出されていくのは、トップでFWや右WBとして起用されるようになってから。新たなポジションを試されたのは、トップ下としては持ち過ぎの傾向が強く、FWとしては競り合いに脆いなど、得意としていたポジションで、課題が多かったためでもあった。機関誌のインタビューでは、本人もベストポジションを右MFとして考え始めたようであるが、果たしてどうなることか。


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02月02日(月)
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