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えすぱっ子
by ひかる。
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■Jユース杯 予選リーグ 柏レイソル戦(H)
元々、サイドの裏をシンプルに狙う柏の攻撃は、相手が前掛かりになった時にこそ、威力を発揮するものである。右サイドでは森安が上がり気味で船山を押し込み、攻撃にも絡んだが、その裏をFWが使って、CBの石垣が引っ張り出され、スピードで置き去りにされた。最終ラインの2枚の裏に突破されてしまうので、ボランチ、特に真希がカバーリングに入らざるを得ず、その守備センスには唸らされるものはあったが、自然と攻撃の起点が低くなってしまった。左では美臣が最終ラインと同じ位置を保ったが、当然、真司は孤立。今年の清水の攻撃は、枝村の左右の捌きが生命線だが、左の真司は囲まれ、右の大瀧はレフティのため、スペースに出してもダイレクトでクロスを上げられず、酷くギクシャクしたものになった。同じく1年生5人を先発して0−4と完敗した、クラブ選手権準決勝を思わせる内容である。一方、柏も、繋ごうとしてカウンターを許す危険を冒さなかったため、3点差にも関わらず(或いは3点差だからこそ)、ロングボール攻撃が中心で、攻撃は単発的であった。
築館監督は石垣を諦め、地元庵原出身の杉山雄を投入。SBも務めるなど、石垣よりスピードのある雄也だが、相手との間合いが悪く、あまり改善したとは言い難かった。前述の理由に加え、柏の実直なプレスに押され、効果的に繋げない清水は、真希が攻守に八面六臂の活躍を見せる。29分、美臣が奪って攻め上がると、真希が受けて美臣とのワンツーで突破、一気にPA内に進入して小さく横パスを送るが、DFに引っ掛かる。31分の大瀧の左CKでは、DFクリアを真希がPA外で拾って、強烈な25Mミドルを放ったが、GK諏訪がディフレクト。一方、35分に須賀の左アーリークロスを村越と美臣が見送った裏で、柳澤にスライディングボレーを許すなど(枠外)、今ひとつピリッとしない守備が続く。
「活きた」ボールをもらえない2トップだが、38分、石田のバックパスを阿部が追う。柴田は距離を詰めた阿部に体を寄せられるが、何とか重圧に耐えて、もう一人のCB石川に渡す。しかし、コントロールが定まらず、パスが石川の位置よりゴール方向になったため、右足で受けた石川は体が開いて(柏の)右サイドを見る格好に。そちらには阿部がいるので、当然、パスを返すことはできない。仕方なくGK諏訪に戻すことにしたが、その時に石川の背後(左サイド)にいた悠輔が、急加速。飛び出す諏訪の直前で、小さい振りから放ったシュートは、ゴール左に強烈に突き刺さった。1−3。抜け目のない得点で、反撃の狼煙を上げる。
だが、狼煙は狼煙で終わる。40分、森安のパスミスを船山がカットして裏へのパス、菅沼が雄也を半身抜いてシュートを放つがGK前田の正面。その後も柏は高速2トップを走らせるが、双方のファウルでブツギレになる締まらない内容のまま、試合を折り返す。
柏 清水エスパルス
7(4) シュート 5(2) ×村越、×枝村、○真希、×悠輔、◎悠輔
2(1) 右クロス 6(3) ×森安、×大瀧、○大瀧、○大瀧、×大瀧、○森安
2(1) 左クロス 2(0) ×阿部、×阿部
0(0) 右側CK 5(2) ○大瀧、×大瀧、×大瀧、×大瀧、○大瀧
2(1) 左側CK 1(0) ×真希
2(−) 犯OS 1(−) 真司
9(−) ファウル 7(−) 石垣、真司、村越、枝村、真希、村越、村越
[後半]
後半開始早々、枝村が一気に中央突破してPA内に侵入し、最後、右に叩いて大瀧のシュートをブロックされる場面があったが、それ以後は焦りと戦術的課題のために、効果的に横幅を使えない清水に対し、柏は前半と変わらない縦幅を使った速いサッカーで好機を作り続ける。この試合、負ければ(勝点計9)予選グループ勝ち抜きの可能性は1割ほどだろうが、引き分ければ(勝点計10)6割ほどに確率は上がるはず。2点という点差ならば、まずは失点しないことを第一に、隙の出やすい残り15分に勝負を賭けるのも一つの策だと思うが、…監督はそうは考えなかったようで。
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11月16日(日)
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