ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
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■プリンス東海 磐田東高校戦
 86分、CH伊東渉のスルーパスで抜け出したFW影山を磐田東LB寺田が倒し、警告が与えられる。右サイド際、ゴールラインまで20Mほどある位置からの柴原のFKは、軸足を滑らせてキックミスになるが、ニアのボールを戻りながら野村がクリアし、右CKになる。交代があった後、キッカーは再び柴原。ショートCKを狙って近寄る山崎祐とマークするDFが空けたニアのスペース、そこに柴原が蹴り込むが、反応したのは磐田東DF。しかし、クリアが弱く、こぼれ球を山崎教が抑えて横パス。PA内中央で受けた伊東渉が持ち直してコースをつくり、左足で低いシュートを放つ。密集を抜けてゴール左に突き刺さった。4−0

磐田東高      清水エスパルスユース
1(1) シュート 6(3) ○鍋田、×鍋田、○柴原、×教史、×影山、◎渉
3(0) 右クロス 4(1) ×青木、×影山、×深澤、○矢守
2(0) 左クロス 0(0)
1(0) 右側CK 2(1) ×柴原、○柴原
0(0) 左側CK 2(0) ×柴原、×柴原
0(−)  犯OS  2(−) ・稲毛、・祐也
7(2) ファウル 7(0) ・柴原、・祐也、・鍋田、・柴原、・畑、 ・青木、・影山

[雑感]
 主将で10番、鍋田の復帰戦となったこの試合。向かい風の前半のうちに3点を奪って勝負を決めると、後半は1年生を多数起用する余裕を見せ、4−0で完勝。待望の初勝利を挙げ、残留争いから一歩抜け出した。

 鍋田の復帰が最大のトピックではあるが、戦術的には柴原をCHからRHに動かし、鉄壁を築いてきたゴール前4人のブロックを崩したのが大きい。鍋田に加えてもう一つ、前線の起点が増えたことを意味するが、同時に自ら「安定」を手放したことがどう働くか。CHで代わりを務めるのは1年生、伊東渉。ベンチには成田、犬飼も復帰。また山田もベンチ入りこそまだだが会場に顔を出し、得意の「声」で試合を盛り上げていた。調整の遅れている柏瀬を除けば、まずまず戦力が揃ってきたと言えるだろう。先発は3年生6人、2年生4人、1年生1人。

 結果として、4人のブロックは問題なく機能。今まで個々の守備における1対1での強さが、そのままブロックとしての強さになっていたのだが、伊東渉は終盤まで前線に絡み続けた運動量だけでなく、ボールを受ける前や直後のフェイントでマークを外すのが上手く、1対1でも全く見劣りしなかった。本当の試金石は次節以降だろうが、1年生でプレッシャーの厳しいポジションでこれだけできたのは、自信を持てる結果だろう。他の3人は変わらず盤石。空中姿勢に難のあった田代が、ここに来てボールの反発力に頼ることなく自らの力で弾けるようになってきており、成長の跡が感じさせる。
 一方、鍋田や柴原の働きも大きく、特に鍋田はボールを持つだけでなく常に動きに狙いがあり、しかし自らシュートを撃つのを第一の選択にしているので、怖さがありながら的を絞りにくい。鍋田を信頼して味方が鍋田を追い越して飛び出すので、鍋田のスルーパスから畑の浮き球コントロール、柴原のドリブル、石原のフリーランが生きる。鍋田としては柴原のゴールに繋がった29分、そしてRB深澤のプレスと連動して自ら奪い、RH柴原に預けて飛び出すと、柴原の浮き球のスルーパスをダイレクトボレー (枠外) に行った55分と、2つの決定機は決めたかっただろうが、上々の復帰戦だった。

 ただ、序盤からゴール前のブロックで試合を支配しながら、24分にセットプレーで先制するまでは開始直後の1分、FW鍋田がLH宇佐美に倒されて得たFKに、鍋田のキックから稲毛がダイビングヘッドを放ったシュート1本のみ。SBが殆ど上がらず、SHがSBの外側のスペースをケアして6バック+2ボランチで守る磐田東を、攻め倦ねていた。前節の藤枝明誠戦にしても、ジュビロ磐田−藤枝東戦、ジュビロ磐田−静岡学園戦にしても、セットした状態の相手をいかに崩すかというのは、この年代のチームが抱える共通の課題になっている。この試合では数人に囲まれながら無理矢理前を向いてシュートを撃とうとする鍋田の頑張りが目を引いたが、そこから鍋田と周囲が連動し、どのようにチーム戦術として昇華していくのか、今後に期待したい。

05月02日(土)
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