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えすぱっ子
by ひかる。
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■プリンス東海 常葉橘高校戦
立ち上がりの10分は一進一退の攻防が続いたものの、時間が経つにつれて青木、柴原のダブルボランチの支配力が効果を発揮。体格が良い上にボディバランスに長け、足が伸びてくる青木は、対地対空ともに自分の後背への進入を許さない。柴原は機動力が高く、ルーズボールを素早くマイボールにする足下のテクニックについては、今さら言うまでもないだろう。2人がしっかりボールをキープするのでSBも上がりやすく、青木がバランス良くパスを左右に配給、前半だけで13本のクロスを入れたが、シュートに結びつかなかった。成田が中央に入ってきてヘディングを放った32分の場面など、攻撃を厚くする工夫もあったのだが、今後もっと洗練させていく必要があるだろう。
このコンビを崩したのは、大榎監督だった。59分という早い時間で、青木に代えて1年生の伊東渉を投入。待って弾く青木ではなく、機動力の高いコンビで前からボールを奪い、前半少なかった中央からの仕掛けを増やし、ひいてはボールをキープではなくシュートに行くようにとの意図だったのだろう。しかし、伊東渉自身は悪くなかったのたが、徐々にチーム全体の運動量が落ちてボールを支配できなくなり、柴原が中盤の底で体を張るため前に出て行けないという、本末転倒の状況に陥ってしまった。そうした状況ですら柴原は82分、CB田代の奪ったボールを受けて中盤の底からロングフィード、FW山崎祐がDFラインの裏に飛び出すと左に流れ、LH石原が中継に入って長い距離を走った柴原が中央、ドリブルでDFに突っ込みつつシュートを放ったが、GKに抑えられた。しかし、このプレーで体力を使い果たしたか、89+1分に自分が奪われたボールを奪い返すべくファウルを犯し、チームとしても非常に痛いイエローカードを受けてしまった。
一方、FWは交代も制限されるほどやりくりが苦しかった。主将の鍋田は長期離脱中、練習試合でスタメンを張ってきた柏瀬が直前に怪我をし、残った2人…畑と影山が2トップを組む。畑は爆発的な瞬発力を生かした意外性、影山は走力を生かした裏への走り込みが武器の選手。それ故に消耗が激しく、次第にパスを引き出す動きを失い、せっかくボールを奪っても前線に当てられず、サイドに展開してそこで攻撃が手詰まりになっていた。良くも悪くも思いっきりの良い成田ならともかく、後半のSHを務めた石原・深澤は連携で崩すタイプであり、稲毛と中原は攻撃面のアイデアよりも守備の強さが魅力のSB。どうもちぐはぐとした印象を受けた。
一方、CBは盤石。橘が清水にボール支配を奪われてもなお、単純にロングボールをPA内や最終ラインの裏に放り込んだりしなかったことも、2人には幸いした。橘はFWがサイドに流れてロングボールを受け、パスが通ればPA横で起点をつくり、OHやSBも絡んでゴールに向かって斜めにドリブルで持ち込んで、積極的にミドルシュートを狙うスタイル。2人はドリブラーに強い清水DFの伝統を引き継ぎ、単純な1対1の勝負で後れを取ることはなかった。シュート数で橘が大きく上回る試合になったが、後半30分を過ぎるまではセットプレーとミドルシュートのみだったことが、それを証明している。ただ最後の15分間はシュート4本、クロス6本を浴びるなど完全に後手に回り、85分にはLB稲毛のクサビをLH石原が反応できずにDH小野寺に奪われ、右に捌いてRB梅原のクロスにニアへOH中村に突っ込まれる (枠外) 決定機をつくられている。90+3分のラストプレーでは、小野寺のフリーキックから松下のヘッドがバーを叩く場面もあった。
課題が山積みなのは紛れもなく事実。だが同時に、伸びしろがあるのも事実。課題を解決するのは簡単なことではないが、チームの成長に期待したい。
04月18日(土)
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