ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
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■クラブ選手権 全国大会 アビスパ福岡戦
70分、清水が蹴り込んだロングボールに対し、相手陣内で鍋田が競り勝って裏に流すが弱く、PA左手前で今度はFW畑が空中戦。良いポジションを抑えた畑が判定勝ちして、ようやくボールは地に着いて鍋田が足下に抑えるが、なお混戦でスペースがなく、鍋田もゴール方向を向けていない。しかし、鍋田はそれを利用して相手DFを軸に体を入れ替え、一瞬のうちに方向転換とスペースの自由を得る。既にPA内、周囲のDFとGKが一斉に殺到するが、鍋田はボールを右へ振る。バイタルエリアへ田代がフリーで顔を出すと、当然、シュートを撃つ。相手DFに当たって勢いが削がれるが、それでもボールは逸れずに、ゴールへと吸い込まれた。3−2
75分、清水、交代: 佐野傑→西澤 (西澤CH、前田RH)
77分、福岡LB孫の左クロスは望月恭がクリアし、左CKに。孫のキック、1回目はニアで清水がクリア。2回目も清水のクリアが早く、ボールは逆サイド中盤にまで流れる。拾ったのは守備に残っていた宮本。この新展開に対し、清水の反応は一つずつ後手をとった。宮本に気づくのがまず遅く、気づいた後に宮本に反応してしまったのも遅い。宮本はアーリークロスを宮本に身構えて立ち止まった清水DFよりも奥へ送り込むと、そこへ抜けた久保がフリー。そのヘッドを外すはずもなく、同点ゴールが決まった。3−3
80+2分、福岡、警告: 河井
80+2分、福岡、退場: 河井
アビスパ 清水エスパルスユース
9(5) シュート 6(3) ×佐傑、×田代、×恭平、○佐傑、◎田代、○成田
6(4) 右クロス 0(0)
1(0) 左クロス 1(0) ×稲毛
4(0) 右側CK 1(1) ○佐傑
0(0) 左側CK 2(1) ○柴原、×成田
1(−) 犯OS 1(−) ・鍋田
8(2) ファウル 4(1) ・成田、×恭平、・畑、 ・畑
●個人的MVP 鍋田亜人夢
●個人的MIP 前田 陽平、長島 潤
試合展開から言えば勝点2を逃した試合だったが、試合内容から言えば勝点1を拾った試合だった。
単純な1対1を比べれば、清水が福岡に劣っていたとは思わない。相手を正面に捉えれば抜かされることなく、しばしばボールを奪い、攻めては正面からスピードで、フェイントで抜き去ってみせた。だが、福岡の得点場面で見られたような、第三、第四の選手が連動することで、相手のマークを混乱させるような場面は、鍋田が絡んだ時ぐらい。例えば、18分に青木のサイドチェンジを抑えた佐野傑と入れ替わるや鍋田が右に流し、前田がシュート (枠外)。43分、鍋田→柴原→鍋田の見事なダイレクトワンツーから左に大きく捌き、佐野傑が飛び出した場面 (DFがCKに逃れる)。46分、成田のサイドチェンジを佐野傑が抑え、落として青木のクサビを前田がポストに入り、戻したパスを田代がミドル (枠外)。対して個人技での決定機は、73分に畑が右サイドを個人突破し、戻したパスを成田がシュートを放ったぐらいで、非効率的と言わざるを得ない。
勿論、育成年代で試合内容と結果の効率性ばかり重要視するのは間違っている。けれども、個人能力の観点から見ても、福岡の選手 (とりわけFW久保とRH田中) はパスを受ける前、あるいは受けた直後の一瞬に相手の逆を突くのが実に巧かった。その一瞬の積み重ねが、第二、第三、第四の連動に繋がっているのではないか。逆に言えば、清水の方も鍋田が絡んだ時は連動した攻撃が見られたわけで、チームの戦術の問題だけでなく、プロで活躍するために個人で身につけるべきスキルだと思う。守備面でも再三見られた田中のサイド突破などは、初動を見誤った数歩の差によるものが多かった。個人的には99年、フィジカルでは圧倒的に上回るはずの池田が、佐藤寿にポストプレーを許した場面を思い起こす。簡単にクサビを通されてしまう悪癖は、今年を通して見られている。
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07月27日(日)
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