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えすぱっ子
by ひかる。
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■Jユース杯 セレッソ大阪戦 (H)
清水は池上が前節から復帰したが、代わってこのところ中盤の軸となっている杉山が出場停止となってしまった。アウェイでの対戦と比較すると、なんと言っても前田の怪我離脱が痛い。また、藤牧も出場停止から復帰したが、RBには前節と同じく望月恭が入り、藤牧はFW登録でベンチに控えた。3年生2人、2年生7人、1年生2人の先発。Jrユースは先週に引き続き高円宮杯東海予選があったため、中学生勢は不在。とはいえ、吉田引退・長島怪我のGKは仕方なく、中2の瀧川を呼んできた。対するセレッソは、アウェイでの3-5-2の布陣から、本来の4-4-2に変更。既に1位通過が決まっていることもあり、前回の対戦から更に司令塔の10番、山口蛍が外れている。3年生4人、2年生4人、1年生3人。監督は「長居の悲劇」の副島博志氏で、密かにS級ライセンスホルダー・J1監督経験者同士の豪華顔合わせであった。
まずボランチにボールを当て、そこから展開していきたい清水だが、セレッソはSBが無理に上がらず、サイド攻撃を許す余地をつくらない。ボランチからFWに短いクサビを当てて地道に試合を作ろうとするが、キープするFWをフォローするMFの上がりが遅いのか、FWがキープできないのでMFが無理に上がれないのか、問題は「鶏と卵」で、相手陣内1/3に侵入するのが遠い。前半の清水の攻撃は、LH佐野傑の強引な突破をLB江守がフォローしてアーリークロスを入れるぐらいで、シュートは大きく外れた青木のFK1本だけだった。
一方のセレッソはロングボール中心ながら蹴ってくるタイミングが早く、清水のSBが上がっていればその裏にFWが走り、裏にスペースがなければSHが大きくサイドに開くなど、パスを受けるオートマティズムが洗練されていた。だが、CBの滝戸・小澤を軸に清水の守備組織も崩れず、1対1にも粘り強く、両チーム合わせて唯一の決定機は44分。LH道上の短いスルーパスにFW中東が抜けるが距離がなさすぎ、至近でGK柴田とLB江守がコースを塞いでシュートブロック、が、跳ね返って左サイドに流れたボールをFW赤堀が折り返し、一瞬の虚を突いて飛び出したCH鈴木が頭で合わせるも、競り合ったDFに当たってゴールのバーを掠めた場面だった。
均衡した我慢の展開。こうなると「勝ち」に対する慣れの差が出てしまう。50分、集中すべきFKの場面でファーの篠原を離してしまい、失点。だが、これで「鶏と卵」の膠着が打破された。青木と深澤慶が失点前より10M前でボールを奪うようになり、奪って展開してから10M前へ出ることで、セレッソを押し込む。先制したセレッソはロングボールやアーリークロスが増え、腰が引けてのパンチに。清水がボールを持つ時間が続くが、だがそれはアウェイでの対戦でも同じ、そして最後の10Mを強引に突破する力が足りないのも同じだった。ファウルも辞さず、泥臭く守るセレッソに対し、ミドル以外の攻撃手段がない。しかし、71分、青木のFKからラッキーなPKを得ると、キャプテン滝戸がきっちり決めて同点。その後も74分、青木の右CKを佐野孝が折り返し、望月恭がボレーを放つ場面もあったが、双方さほど見せ場はなく、1−1で終了。苦しい1年を最後はそれなりの形で締めくくることができた。
滝戸はJユースカップ後半戦、全試合でMVPをあげても惜しくない活躍だった。チームの課題だった空中戦に回答を出し、飛び出す相手にはきっちりコースを切ってシュートチャンスを与えず、奮闘はしてるがミスも多い小澤のカバーに入り、パスミスなく攻撃の起点となり、ファウルを犯さず。筆者の彼に対する最初の印象はクラブ選手権U-15準決勝、PKを外してしまい、池田康に慰められる姿だった。その後、選手として成長するのは勿論、これほど責任感の強いキャプテンとなるとは。ユース最後の公式戦、PKを決めた姿も忘れない。
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11月18日(日)
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