ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
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■JY: クラブ選手権 全国大会 京都サンガ戦
70分、清水、交代: 成田→原 (村上MF、原FW)
71分、京都、交代: 駒井→家城
75分、京都、交代: 伊藤→石黒
80+1分、京都、交代: 宮吉→畑田
京都サンガ 清水エスパルスジュニアユース
8(4) シュート 2(1) ×柴原、◎影山
5(2) 右クロス 5(0) ×松田、×田代、×村上、×中原、×田代
1(0) 左クロス 5(0) ×成田、×成田、×成田、×成田、×原
1(1) 右側CK 1(0) ×成田
1(0) 左側CK 1(0) ×柴原
4(−) 犯OS 2(−) ・遠藤、・柴原
5(1) ファウル 6(2) ・遠藤、・成田、×片山、×深澤、・成田、・原
●個人的MVP 柴原 誠
●個人的MIP 田代 諒、井出 裕也
京都の布陣は4-2-3-1とも、4-3-3とも。SBは殆ど上がらずにスペースに蓋をし、ダブルボランチがバイタルエリアに鍵を掛け、トップ下の山下もしばしば守備のヘルプに戻った。中央に起点を作れない清水はサイドに展開するが、クロスを跳ね返され、前半だけでCKを6つ奪うがそれも跳ね返される。唯一の決定機は30分、柴原が個人技で中央で起点になり、松田へスルーパスを通したものだった。一方、引いて守る京都の攻撃はロングボール中心になるが、田代・石原ら中盤の守備が生命線の清水には、むしろ有効な攻撃だった。逆サイドのスペースに駒井や伊藤が必ず待ち構え、スピードでロングボールをものにする。彼ら2人が引いてる時すら宮吉が一人で脅威に。清水DF陣は彼らの圧力に抗しきれず、ミスを犯して自ら試合を難しくしていた。そして前半終了間際の37分、この試合で2、3回しかなかったLB槍田の攻撃参加から、伊藤が強引に突破し、京都が先制して前半を終える。そして、後半になると攻めるしかない清水に対し、スペースを得た駒井は水を得た魚。更に2点を追加され、清水は柴原の個人技で1点を返すのが精一杯だった。
●大会総評
大会を通じて4-3-3を採用。大まかな役割分担としては、田代が奪う、(石原が繋ぐ)、成田が運ぶ、柴原が決めるというものがあったが、前の6人は非常に流動的。特に守備面では各自の担当するスペースを設けず、流動的に6人が前から前からプレスを掛け、奪い次第、速やかに攻撃に移行して一気に仕掛ける。ボールを奪えば前に残っていた選手が裏を狙い、クサビが入った時は前線でキープしている間に後方から次々に他の選手が追い越す波状攻撃。ドリブルを多用することもあって強引な印象が強かったが、自分たちが主導権を握った際の攻撃力は圧倒的だった。
だが、システムの完成度はおせじにも高いとは言えなかった。MF3人が奪いに前へ出るので、そこを交わされると中盤がぽっかり空いてしまい、相手に長い距離をノープレッシャーでボールを運ばれたり、そのスペースへロングボールを通されたりして、カウンターを食らう。或いはMF3人が守りに入って中盤から上がらなくなると、前に残るFW3人との間の大きなスペースでクリアボールを相手に拾われ、波状攻撃を許した。攻撃でもボールは1つである以上、波状攻撃に動揺せずにきっちりチャレンジ&カバーをしているチームには限界があり、柴原のようにチャレンジの1枚目もカバーの2枚目も抜ける選手ならともかく、強引にドリブルを仕掛けて止められ、前述のカウンターへと繋がることが多かった。
しかし、それでもこれで良かったと私には思えるのである。何故なら、相手のミスを待つのではなく、自分たちからボールを奪いに行き、自分たちから仕掛けてゴールを奪う姿勢こそ、育成年代で最も重要なことだと考えるからだ。選手の役割分担が曖昧だったのも、育成を考えればむしろ長所。田代を中盤の底に、成田を左サイドに、柴原を相手ゴール前に固定した方が負けにくいチームになっただろうが、流動的なシステムでは田代がドリブルで仕掛け、成田が中に絞ってスルーパスを出し、柴原が戻って守備に加わる。得手不得手を考慮せずに様々な経験を積んだことは、今後戦術的なサッカーをやる上でも必ず生きてくるだろう。監督が戦術で勝たせるのは、勝利至上主義のプロの舞台でこそ。加藤監督は、よく我慢したと思う。
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08月18日(土)
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