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えすぱっ子
by ひかる。
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■クラブ選手権 全国大会 アルビレックス新潟戦
 しかし、後半はユースデビューとなった中2の柴原がフィットしないまま、運動量を一時回復した新潟の前に再び中盤で繋げなくなる。それでも27分、新潟が一人退場。極めて優位な立場を得るが、敗者のメンタリティに犯された今のチームはこの優位性に気づけなかった。時間を気にしてゴール前を固める相手に縦にロングボールを送るばかり、むしろ跳ね返されてカウンターでピンチを迎える始末。結局、後半は20分の小泉の左CKから藤牧の頭、29分のクイックで狙った桑原彬の直接FK、38分の望月恭の長いFKに佐野克の頭、40分の佐野克のFKに長沢の頭と、セットプレー以外にろくなチャンスもなく、しかもその全てが枠外。清水の敗戦と大会敗退が決定した。


▼選手寸評
[私撰MVP] なし
[私撰MIP] 佐野 克彦、前田 陽平
[相手方好印象選手] 長谷部 彩翔

 個人で見れば、佐野克は良かった。体を張った守備と素早い出足で攻撃をカットし、ロングフィードで一気に前線へチャンスボールを送る。終盤、相手のカウンターにも、一人で走って追いついた。攻撃面でも彼のセットプレーが最も得点の臭いを感じさせた。もっとも、守備陣の統率だとか、DFラインから繋いでビルドアップするだとか、そうした組織的な面では不満が残る。前田はよく走って守備に貢献。繋げないチームにあって、よくボールをキープし、奪われることは多かったが、自ら運んで局面を打開しようとしていた。注目の柴原は、やはりろくにプレーをさせてもらえず。だが、最初はボールを受けたところを強く当たられて失っていたのが、1回フェイントを入れてボールを持ち出すなど、短い時間の中で工夫を見せていた。新潟の長谷部は体格では恵まれないが、よく走り、ボールを止める/蹴るの基礎技術がしっかりした選手。


 昨年冬の王者、しかもその決勝のスタメンに2年生8名が並んだ若いチームが、7ヶ月後の大会で1勝もできずに敗戦となった。王者の慢心、と捉える向きも多いだろう。実際、その運動量は当時の面影はなく、パスを受けた選手を追い越して縦に速い攻撃を仕掛ける動きは皆無であった。技術の不足を走りで補った昨年の良さは、すっかり消えている。しかし、私は敗因はそれだけではないと思っている。以下はチーム事情の知らない第三者が、あくまで試合を通して感じた感想であるので、その点を割り引いてもらいたい。

 残留争いの常連からようやく抜け出したトップチームだが、選手が口を揃えて言うのが「今年は立ち戻るべき基礎がある」ということだ。長谷川体制2年目を迎え、春先のキャンプで自信をもって昨年の戦術を徹底したチームは、不調に陥ったときに基礎となる戦い方を思い出すことができる。それがユースにはない。いや、違う。選手は立ち戻りたいのだが、行徳監督は立ち戻らせたくないのだ。
 選手が立ち戻りたいのは、どこか。それは当然、優勝したJユースカップの戦い方だろう。そして同時に、今年の3年生がJrユース時代、夏冬共に4強入りした時の戦い方でもある。その布陣はそれぞれ、↓であった。

 03冬 山崎晃−桑原彬・岩本・佐野克・桑原卓−小泉・池田・神田・杉山−町田・長沢
 05冬 山崎晃−桑原彬・石垣・佐野克・桑原卓−小泉・柴田・神田・八木−町田・長沢

 06夏 山崎晃−望月卓・望月恭・佐野克・小出−池田−小泉・桑原卓・前田−町田・長沢

 一目で分かるだろう。昨年のJユースカップは03年のJrユースのチームを基本に、行徳監督が戦術の熟成度を高めて優勝したのだ。今年、石垣・柴田・八木は卒業したが、岩本・池田が健在で、杉山は昇格しなかったものの中3夏までのレギュラー、小出もいる。プリンスで結果が出なかったとき、選手はこのチームに戻れば勝てると思ったのではないか。実際、このチームをベースにした冬の練習試合では、内容の伴った結果を積み重ねていた。

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07月30日(日)
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